PR

ニュース 政治

ICBM迎撃成功 新型ミサイル対応の日米共同研究に期待

SM3ブロック2A(米ミサイル防衛局提供)
SM3ブロック2A(米ミサイル防衛局提供)

 日米が共同開発した迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の迎撃実験に成功したことに、日本側は手応えを感じている。一方、中国などは極超音速滑空兵器(HGV)といった現行のミサイル防衛では迎撃困難な新兵器の開発を進めており、政府にはこうした新型ミサイルに対処するための新たな日米共同研究・開発を期待する声も高まっている。

 「日米の優れた技術を結集し、高い信頼性と能力を実証した」

 加藤勝信官房長官は18日の記者会見で、迎撃実験の意義をこう強調した。防衛省幹部も、「ICBMに届くとは」と驚きをもって受け止めている。

 日米によるSM3ブロック2Aの共同研究は1999年から始まった。日本側が「ノーズコーン」と呼ばれる弾頭の先端を覆う部分と、2段目、3段目のロケットモーターを担当している。

 共同研究は2006年から共同開発に移行し、17年から量産態勢に入った。日本のイージス艦に搭載が始まるのは来年度末の予定で、日米間で共同研究から量産に至った唯一の成功事例だ。

 日米が研究に着手したのは、ノドンやスカッドといった日本を射程に収める北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するすべがなかったからだ。SM3ブロック2Aは短距離から中距離の弾道ミサイルの迎撃を想定している。

 それが今回、ICBMの迎撃実験に成功したことで「SM3ブロック2Aは(ICBMの)高高度に届き、より速い速度に対応できることが実証された」(日本政府関係者)というわけだ。

 ただ、中国などは、SM3ブロック2Aでも迎撃が困難な新型ミサイルの開発を進めている。マッハ5以上の極超音速で複雑な動きをしながら滑空するだけに、「今は世界に撃ち落とす技術はない」(防衛省幹部)のが現実だ。

 米国は多数の小型衛星を低軌道に投入する「衛星コンステレーション」構想を打ち出し、新型ミサイルに対処するための研究に着手している。政府関係者は「HGVを新たな日米の共同研究対象にすべきだ」と話す。

 ただ、SM3ブロック2Aが量産までに18年かかったように、新型兵器への対処には時間を要する上、技術を確立できるかは不透明だ。別の政府関係者は「相手を抑止するためには、(抑止力として)同じものを持つしかない」と強調する。(大橋拓史)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ