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公明、不妊治療対応で埋没懸念 議論20年超、菅首相にお株奪われかねず

 公明党が不妊治療の経済的負担軽減をめぐり、発信に躍起となっている。菅義偉(すが・よしひで)首相が早期の保険適用実現を打ち出し、公明が20年以上取り組んできた課題は大きく前進し始めたが、首相の改革の一つと受け止められればお株を奪われた形となり、党の存在はかすみかねない。自民党内でも議論が加速しており、公明は年内に独自の提言をまとめ、有権者にアピールしたい考えだ。

 「提言のとりまとめに向け(議論を)できるだけスピードアップする」

 公明党の「不妊治療等支援推進プロジェクトチーム(PT)」座長の伊佐進一衆院議員は15日の会合後、記者団にこう述べ、議論を急ぐ考えを示した。負担軽減策に加え、仕事と治療の両立支援やカウンセリング体制の整備など総合的な対策をまとめる方針だ。

 公明には、不妊治療をめぐる課題にいち早く取り組んできた自負がある。平成10年に党基本政策大綱で保険適用の実現を掲げ、14年7月には公明の坂口力厚生労働相(当時)が「何らかの形で支援する態勢を取り入れなければならない」と助成制度導入の必要性を指摘した。

 16年度から年1回10万円を限度にした政府の助成事業が始まったのは、坂口氏のリーダーシップとされる。今回も助成措置の一層の拡大や早期の保険適用の実現に向け、議論をリードしたい考えだ。

 一方、自民党の「不妊治療への支援拡充を目指す議員連盟」(会長・甘利明税制調査会長)も15日に国会内で会合を開き、議論を本格化させている。年末までに政府への提言をまとめる方針で、タイミングや内容によっては公明の存在がかき消されかねない。

 公明内には「手柄の取り合いをしても意味がない」(党幹部)と首相や自民の動きを前向きにとらえる声もあるが、「少数政党の主張は埋没してしまう」(別の党幹部)との懸念も広がる。迫る衆院解散・総選挙を見据え、公明の「成果」に挙げたいのが本音だ。

 首相は9月27日の公明党大会で「皆さんから不妊治療の助成拡大や保険適用について強い要請を受けていた」と顔を立てた。その不妊治療対策は携帯電話料金値下げなどと並ぶ首相の目玉政策となりつつある。竹内譲政調会長は8日のPT初会合で「不妊治療は公明党が現場の声を一つ一つ拾い上げて主張してきた重要なテーマだ」と強調したが、今後、主導権を取り戻せるかが焦点となる。

(力武崇樹)

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