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自民県議団vs埼玉知事、対立先鋭化 給与・報酬減額2案が否決

 埼玉県の大野元裕知事と県議会最大会派・自民党議員団の対立が先鋭化している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済情勢悪化を受けて県が提案した知事給与などの減額条例案に対し、自民党議員団は「パフォーマンスだ」と反発、同議員団の反対により条例案は14日の本会議で否決された。昨年8月の大野知事就任以来、県提出議案の否決は初めての事態だ。旧民進党系の首長として、もともと自民党とは距離感があった大野知事だが、両者の対立はより深刻な局面を迎えようとしている。

 条例案は、知事と副知事、教育長らの給与を施行日から12月末まで減額する内容だ。カット率は知事が3割、他が1~2割で、削減分の大半を「新型コロナウイルス感染症対策推進基金」に積み立てる予定だった。

 県による条例案提出の動きに呼応し、知事に近い県議会第二会派「無所属県民会議」も、知事らと同じ期間の県議報酬を2割減額する条例案を議員提案した。

 2つの条例案は14日の本会議で採決が行われ、いずれも自民党議員団の反対多数によって否決された。他の主要会派は、自民党と関係が良好な公明党議員団を含め、全て賛成に回った。

 肝いりの条例案の否決に、大野知事は不満を隠さない。本会議後の記者会見では「正直悔しい。われわれは正しいし、必要だと思うからこそ条例案を出した」と強い表現で自民党を批判した。

 一方、自民党議員団の小島信昭団長は記者団に、知事らの給与削減は「人事院勧告を待って参考にすべきだ」と主張し、議員報酬削減案に対しても「パフォーマンスの部分が強く見えた」と突き放した。

 そもそも、県側は当初、知事らの給与削減案を6月に提案する予定だった。しかし、自民党が首を縦に振らず、根回しは難航した。大野知事は、給与減額によって覚悟を示すタイミングを逸すると判断し、「見切り発車」で提案に踏み切った。

 県議会最大会派との間に生じた確執が、今後の県政運営に影を落とすことは避けられない。条例案提出を前にした県側と自民党議員団との水面下での話し合いでは、「自民党と執行部は全面戦争になる」と強く反発する声も出ていた。

 旧立憲民主、旧国民民主両党などの支援を受けた「野党統一候補」として知事選を制してから1年余り。自民党との関係をどう構築していくかという懸案は、円滑な県政運営を進める上での重い課題として大野知事の眼前に立ちはだかっている。

(中村智隆、竹之内秀介)

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