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都構想、可決なら史上初の政令市廃止 全国に波及するか  

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 政令市制度は昭和31年に創設された制度で、二重行政は当時から問題点として指摘されてきた。地方分権改革や地域主権改革は長年議論されてきたが、現実には半世紀を経ても大都市制度改革は進んでいない。大阪都構想は大阪という一都市の改革ではあるが、実現すれば創設以来初の政令市廃止となり、全国的な大都市制度見直し論に火が付く可能性もある。

 大阪で二重行政の弊害が顕著となったのは、全国で2番目に狭い面積の中心に、同等の財政力を持つ大阪市という政令市があるという特徴も一因だ。府の自治制度研究会は、市は市域内を、府は市域外を考えて政策展開してきた結果として非効率な資源配分となり、圏域の発展という府市共通の目標が果たせなかった-と指摘。その状況を打開する方策として10年前に維新が掲げたのが、広域行政を府に一元化し、身近な住民サービスを基礎自治体である特別区が担う大阪都構想だ。

 維新代表代行の吉村洋文・大阪府知事は、「新型コロナウイルスで、東京一極集中の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった」と主張。「高度経済成長時代には一極集中に意味があったが、成熟期の今はリスクでしかない」とし、「副首都大阪をつくり、日本の成長を牽引(けんいん)する2つ目のエンジンをつくる」と都構想の目的を語る。

 一方、住民が気になる都構想の財政効果をめぐっては議論がある。移行に必要な初期費用は約241億円と、安くはない。都構想は稼ぐ都市をつくるための制度改革であって、移行により府市に入るお金が増えるわけではない。有権者が賛否の判断で悩む点だろう。

 住民投票は、代表者を介さずに意思を直接示すことができる「究極の民主主義」と評される一方、意見が極論化されやすい、扇動にまどわされやすいといったデメリットも指摘されている。有権者は情報をしっかりと吟味し、主体的に判断することが重要になる。新しい時代にあるべき大都市の姿とは、どういうものか。コロナ禍の今、大阪の住民投票で問われているのは、日本の地方自治の新しい形はどうあるべきかという問いだ。(木村さやか)

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