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岸田派 ささやかれる分裂の危機 古賀氏退任に動揺 ちらつく大宏池会構想

 自民党の岸田文雄前政調会長率いる岸田派(宏池会、47人)が分裂の危機にあるとささやかれている。名誉会長を務める古賀誠元幹事長の退任表明を機に、古賀系メンバーが派閥を割るとの憶測が広がっているためだ。宏池会勢力がたもとを分かった「加藤の乱」から来月で20年。歴史は繰り返されるのだろうか。

 「岸田さんが私と麻生(太郎副総理兼財務相)さんとの板挟みで苦しんでいるだろうから」。古賀氏は6日、国会近くの事務所を訪れた若手議員を前に、名誉会長を退く理由を淡々と説明した。古賀氏が欠席し、派内に激震が走った5日の岸田派パーティーの翌日のことだ。

 古賀氏が、麻生派(志公会、54人)を率いる麻生氏に言及したのには理由がある。岸田氏が次期総裁選で麻生派の支援を期待する中、麻生氏側は地元の福岡県で対立する古賀氏との関係の清算を求めているとされるためだ。岸田氏の側近は「岸田氏が古賀氏に『さようなら』をした」と述べ、岸田氏側が欠席を促したと語る。

 もっとも、古賀氏に近い議員は「(古賀氏と距離を置く)麻生氏や安倍晋三前首相を宏池会側に取り込むための方便だ」と強調する。岸田氏と古賀氏とで示し合わせた“芝居”との見方を示しており、臆測が臆測を呼んでいる状態だ。

 いずれにせよ、岸田氏の頭に「大宏池会構想」がちらついていることは間違いない。池田勇人元首相が創設した宏池会を源流とする麻生派や谷垣グループなどの結集を成し遂げ、次期総裁選に臨むという戦略だ。現に岸田派パーティーでは「宏池会の大きな塊が実現できるように私自身が先頭に立つ」と明言している。

 とはいえ麻生派は、高い発信力で人気がある河野太郎行政改革担当相という将来の総裁候補を抱えており、岸田氏の思惑通りに連携が進むのかは不透明だ。一部のメンバーが麻生派に流れた経緯がある谷垣グループにも「麻生氏とは組みたくない」(ベテラン)との声がくすぶる。

 平成12年11月の加藤の乱では、宏池会領袖(りょうしゅう)の加藤紘一元幹事長が森喜朗内閣を打倒できず、派閥は空中分解した。20年後の今、再び分裂の悪夢が頭をもたげる。岸田氏は周囲に「良くも悪くも今回の騒動がどう影響するかだ」と語る。それが吉と出るのか、凶と出るのか。岸田氏のみならず伝統ある名門派閥の浮沈がかかっている。(永原慎吾)

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