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【大阪都構想 決着へ】(下)「対立」から一転 共闘へ

 9月3日午後3時25分、大阪市議会議場。大阪都構想協定書の承認を議長が告げ、2度目の住民投票実施が決まった瞬間、市長(大阪維新の会代表)の松井一郎は座ったまま2度頭を下げた。笑顔はなく、表情には緊張感すら漂っていた。

 閉会後、松井が真っ先に向かったのは、公明党市議団の控室。5年前は反対派の急先鋒(きゅうせんぽう)だった公明だが、今回は賛成に転換、議会運営でも維新に協力した。

 「ありがとうございます」。腰を折って謝意を述べた松井は、ねぎらうように公明市議の手を握った。マスク姿の目元には、ほっとしたような笑いじわが刻まれた。だが数分後、維新市議団の控室に現れた松井は厳しい表情に一転。浮き立つ市議たちを戒めるように、こうくぎを刺した。

 「今から本番やで。気抜かんとな。変なスキャンダルとか、絶対あかんで」

 維新以外の全政党が反対した前回住民投票(有効投票総数140万429票)で、わずか1万741票差で否決された都構想。公明が賛成に回った今回、形勢は維新有利とも見えるが、物事はそう単純ではない。

 大阪府内で新型コロナウイルスの感染確認が一時的にゼロになった6月上旬。松井ら維新幹部と公明幹部らは大阪市内の料理店で会談し、住民投票に向けた活動を始める時期は慎重に見極めることで一致した。だが、産経新聞社などが9月に実施した世論調査では、公明支持層の57・4%が都構想に「反対」という結果が出た。

 維新が都構想を掲げてから10年。その間、公明は昨年5月に賛成に転じるまで、一貫して都構想に反対の立場をとってきた。大都市制度の改革自体には前向きな公明は、住民投票の実施に協力する代わりに国政選挙では維新が公明現職のいる選挙区への出馬を見送る-という暗黙の了解を維新と交わしてきたが、橋下徹が維新代表の時代から繰り広げてきた政治闘争の遺恨は根深い。平成26年2月、党大会で公明を批判した橋下が「宗教の前に人の道がある」と言い放った言葉は公明関係者を激怒させた。

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