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「設備投資」や「雇用・所得」はなお弱く 地域経済報告

日本銀行本店=東京都中央区(川口良介撮影)
日本銀行本店=東京都中央区(川口良介撮影)

 日本銀行が8日発表した10月の地域経済報告(さくらリポート)は、新型コロナウイルスの感染が続く中、経済活動が徐々に再開され、全国9地域のうち8地域で景気の総括判断が引き上げられた。しかし、項目別でみると「設備投資」や「雇用・所得」の判断を引き下げる地域が多いなど、景気回復は力強さに欠け、新型コロナの先行きに対する不安感が根強いことも鮮明になった。

 生産活動が再開されたことを受け、「生産」が8地域で上方修正された。とくに自動車関連では「販売が回復しており、協力会社への発注を増やしている」(名古屋の輸送用機械)といった声が聞かれた。「中国は想定以上の回復になっている」(横浜の輸送用機器)といった中国の生産回復を指摘する声も多い。

 一方で造船業の比率が高い四国は9地域中唯一「生産」の判断を維持した。新型コロナの影響から「海運市況の低迷を背景に受注獲得に苦戦している」(松山の輸送用機器)という。

 個人消費も徐々に持ち直している。「(国民1人当たり10万円を配る)特別定額給付金や“巣ごもり消費”の効果から、家電製品の販売が底堅い」(新潟の家電販売)といった声があった。政府の観光支援事業「Go To トラベル」については、「押し上げ効果がみられる」(大分の宿泊)といった指摘がある一方、「インバウンド客は当面期待できない」(京都の宿泊)といった悲観的な声もあがった。

 将来的に企業が生産や商品を開発するための「設備投資」は5地域で引き下げられた。先行きを厳しく見る企業は多く、「収益悪化から、今期の設備投資案件の見直しを実施した」(下関の非鉄金属)などと、設備投資を縮小する動きが広がっている

 4地域で引き下げられた雇用・所得も弱さが目立つ。需要の減少などから「新卒採用の中止とともに、従業員の給与の引き下げに踏み切った」(高知の宿泊)といった厳しい声が聞かれた。雇用・所得がさらに悪化すれば、一段の景気悪化につながりかねない。(大柳聡庸)

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