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【正論11月号】経済快快 スガノミクスはデジタル景気の波に乗れるか 産経新聞特別記者 田村秀男

就任後初の記者会見に臨む、菅義偉首相=16日午後、首相官邸(松本健吾撮影)
就任後初の記者会見に臨む、菅義偉首相=16日午後、首相官邸(松本健吾撮影)

 ※この記事は、月刊「正論11月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック

 「アベノミクスの前進」を掲げる菅義偉政権が誕生した。大きく分けると、行政のデジタル化、携帯料金の引き下げなど情報技術(IT)社会への転換、さらに賃金の引き上げと、安倍晋三前政権では果たし切れなかった経済成長戦略を打ち出した。「スガノミクス」である。めざすべきは内需主導で新型コロナウイルス・ショックがつくり出しつつある新たな景気循環の波に乗ることだ。

 新型コロナ・パンデミック(疫病の世界的大流行)はヒトの動きに左右される航空、鉄道、飲食、ホテル業など在来型サービス産業を直撃している。半面では、新たな市場機会を生み出す。人と人の接触を抑制しながら、経済活動を正常化させる試みの広がりに伴い、対面しなくても密接なコミュニケーションを可能にするデジタル情報技術(IT)需要に新たなうねりが見込まれるからだ。

 在来型産業が破壊され、創造された新機軸のもとに産業経済が発展を遂げるというのが、J・シュムペーターのイノベーション理論だが、突如地球を覆ったコロナウイルスが強制するデジタル化がヒト、モノの動きによって支えられるはずの経済にどの程度のダイナミズムをもたらすのか、現時点での判別はむつかしい。

 それでも収益への欲望に満ちた企業家や投資家たちは、足下は真っ暗闇であっても、地平の彼方にかすかに見える光明に向かって突き進む。端的に示すのが世界の強欲マネーが集まる米国の株式市場である。

 月刊正論11月号では米国の日毎のコロナ新規感染者数の増減と株価を組み合わせたグラフを掲載した。変動のばらつきをならすために、いずれも十日間平均値で表している。グラフの第一の特徴は、コロナ感染の三月末から四月末への感染第一波、六月中旬から八月中旬にかけての第二波の大きなうねりにもかかわらず株価が上昇気流に乗っていることだ。もう一つは、九月初めから最新時点にいたる期間で、感染の波が引き出すと株価が下落局面に転じた点だ。

 感染が拡大して消費者をより大きな不安に陥れているのに、株価は上がる。感染波が細ると株価が調整局面を迎えるのはなぜだろうか。経済実体からかけ離れた株価の上昇は一般にバブルだとみなされがちで、今回もその例外ではないと言い切れるだろうか。

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