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大阪都構想投票まで1カ月 反対の自民府連は菅首相の「理解」警戒 国民民主は維新と距離縮める

 大阪市を廃止し特別区に再編する大阪都構想の住民投票(11月1日投開票)まで1カ月を切った。可否は都構想を進める日本維新の会の勢いに直結し、来秋までに行われる次期衆院選の結果にも影響しそうだ。各党は、国政での維新との関係も踏まえながら、さまざまな動きをみせている。

 自民党は大阪府連が反対の立場で、衆院選への危機感は極めて強い。昨年4月の大阪府知事・市長のダブル選で、維新は副代表の吉村洋文知事と代表の松井一郎市長がそれぞれ圧勝した。さらに、新型コロナウイルスへの対応で吉村氏は全国的に名を知られた。

 平成29年の前回衆院選は大阪の19の選挙区のうち、自民党が10、公明党4、維新3、立憲民主党1、無所属1がそれぞれ勝利した。選挙プランナーの松田馨氏は「都構想が可決されれば維新は勢いを増し、次は府内の接戦区のほとんどで勝ち、全国で比例代表票を伸ばすだろう。否決となれば勢いが少し弱まる」と語る。

 一方、菅義偉首相は都構想に理解があるとされ、自民党府連幹部は気をもんでいる。首相は20年の府知事選で、維新の生みの親である橋下徹氏を担ぎ出した。先月の党総裁選期間中には、テレビ番組で「都構想を自民党の座長としてまとめ、国会で賛成した。私は大阪はすごく問題があると思っていた」と語っている。松井氏とは2025年大阪・関西万博や、カジノを含む統合型リゾート(IR)推進で連携した縁もある。

 維新幹部は「行政改革を政権の目玉としている首相が、反対を明言することはないのでは」と期待する。

 これに対し、府連幹部は「違う家の子供をかわいがるようなことがあってはならん」と首相に都構想を後押ししないよう求めている。府連に所属する議員は、首相が新型コロナ対応に関し、政令市の権限強化に触れたことを挙げ、「権限を強化すると話しているのに権限を弱める都構想に賛成はしない。首相の本音は都構想反対だと思う」と語った。

 同じ政権与党でも、公明党は都構想に賛成している。背後には、府内の4選挙区で維新との対決を避けたい思惑がありそうだ。党幹部は「ローカルな話だ」と述べ、静観する考えを示している。(沢田大典、力武崇樹)

     ◇

 野党も次の衆院選を見据え、思惑含みの動きが目立っている。立憲民主党や共産党は大阪都構想の住民投票に反対姿勢を鮮明にする一方、国民民主党は立場を明確にしていない。同党は前原誠司元外相(衆院京都2区)らが選挙協力も念頭に、日本維新の会との距離を縮めているからだ。

 「私やわが党所属の議員自身が賛否を正確に評価できるような状況にない。何らかの形で総務省なり、場合によっては維新の担当者に話は聞いてみたい」

 国民民主党の玉木雄一郎代表は9月30日の記者会見で、住民投票について、あやふやな言い回しを繰り返した。

 国民の姿勢は、他の主要野党が示す強硬な反対姿勢と一線を画している。共産党の志位和夫委員長は「断固反対」と語り、立憲民主党の枝野幸男代表も「大阪府連は、反対する市民の皆さんを総力を挙げて支援する方針を決めている。党本部も全力でバックアップしたい」と言い切った。

 関西を地盤とする国民の議員は最近、維新との距離を急速に縮めている。前原氏と岸本周平衆院議員(和歌山1区)は、維新の馬場伸幸幹事長とともに地方分権の勉強会を立ち上げ、7月には大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会副代表)を講師に招いた。

 前原氏らと維新は、共産党への忌避感などで一致点が多い。国民側にはこれを選挙協力につなげたいという思惑もありそうだ。国民は今後、都構想の内容と維新との選挙協力の可能性を考慮した上で、住民投票への賛否を決めるものとみられる。(原川貴郎)

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