PR

ニュース 政治

中曽根元首相合同葬、政府の1億円支出に批判 識者「税金からの支出に違和感ない」

昭和58年11月、日の出山荘にレーガン大統領を招待した中曽根康弘首相=東京都日の出町
昭和58年11月、日の出山荘にレーガン大統領を招待した中曽根康弘首相=東京都日の出町

 昨年11月に死去した中曽根康弘元首相の内閣と自民党による合同葬(10月17日)が物議を醸している。新型コロナウイルス対策を含む約9600万円の政府支出が「税金の無駄遣い」などと批判を浴びているのだ。ただ、国家指導者の葬儀は各国の首脳や大使らが参列する「弔問外交」の舞台となってきた面もあり、支出を一概に否定できないとの声も上がる。  

 「中曽根氏は長きにわたり国や党のためにご活躍いただいた。日本国として、自民党として、できる精いっぱいのことをしてお見送りするのは当然だ」

 自民党の二階俊博幹事長は29日の記者会見で、合同葬についてこう述べた。佐藤勉総務会長も「中曽根氏の功績は非常に大きかった。妥当な額ではないか」と強調した。

 政府は25日の閣議で、合同葬の経費として令和2年度予算の予備費から約9600万円を支出することを決めた。ところが、芸能人らがツイッターなどで多額の出費を批判。立憲民主党の蓮舫代表代行も「コロナ感染症対策の予備費使用が適切ですか」などと疑問を呈した。

 内閣と党の合同葬は平成19年の宮沢喜一元首相以来で、当時の政府支出は約7700万円だった。約2千万円ほど上回った理由について、加藤勝信官房長官は「新型コロナ対策に万全を期す必要がある」と説明する。

 内閣府によると、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪に設営されるメイン会場に来場者が密集しないようにサテライト会場を用意するほか、受付で体温を測定するためのサーモグラフィーの導入などで費用がかさんだという。

 そもそも、国家元首や行政府長経験者らの葬儀は、国家間の関係強化や緊張緩和などの「弔問外交」の場と位置づけられてきた。

 昭和天皇の「大喪の礼」には164カ国の弔問使節団が列席した。最近では台湾の李登輝元総統の告別式(19日)に参列するため、森喜朗元首相らが訪台し、日台友好をアピールした。政府は中曽根氏の合同葬にも、約200人の駐日大使らの参列を予定する。

 外交評論家の宮家邦彦氏は「外交を目的に葬儀をするわけではないが、副次的な効果は当然ある。過去の例を見ても、大勲位を授与された中曽根氏の合同葬の費用を税金から支出することに違和感はない」と話した。(永原慎吾、広池慶一)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ