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「NASA政権」国民に信を問え 対中政策は腹くくり国益第一で 論説委員長・乾正人

初閣議を終え菅義偉首相(前列中央)とともに記念撮影に臨む新閣僚ら=16日午後、首相官邸(春名中撮影)
初閣議を終え菅義偉首相(前列中央)とともに記念撮影に臨む新閣僚ら=16日午後、首相官邸(春名中撮影)

 永田町の住人は、ローマ字で語呂合わせをするのが、大好きだ。

 中でも傑作なのは、平成の初め、強力な権力を握っていた竹下派に対抗するため結成された「YKKトリオ」だ。

 Yは山崎拓、2つのKは加藤紘一と小泉純一郎の頭文字からとっているが、ご存じの通り、天下を取ったのは小泉ただ一人。小泉の「YKKは友情と打算の二重構造だ」という“名言”は、今も心に残る。

 菅義偉政権には、「NASA政権」と名付けたい。麻生太郎政権発足前も「NASAの会」はあったが、その時のNは中川昭一だった。新たなNASAのNは二階俊博、Aは安倍晋三、Sは菅、最後のAは麻生の頭文字で、「安倍1強」体制から権力分散型の「四頭政治」に変化する可能性があるからだ。

 病気による前首相の緊急降板という非常事態下で、小泉元首相がぶっ壊したはずの「古い自民党」の遺伝子が、派閥の合従連衡によるボス選びという形で目を覚ましたのである。菅首相誕生の流れを決定づけた二階幹事長が「田中角栄最後の愛(まな)弟子」であることは、偶然ではない。

 党役員人事や閣僚人事に、小泉流の「サプライズ(驚き)」がなく、派閥均衡型にならざるを得なかったのも驚かない。前首相の弟だけでなく、元家庭教師も入閣させた首相の義理堅さには少々感心したが。

 組閣前日の早い時間に、すべての閣僚が「新聞辞令」で明らかになることなど、小泉や安倍政権の全盛時代には思いもよらなかった。

 裏を返せば、従来の政策を継続する限りにおいては、自民党総裁選で戦った岸田、石破両派を除く5派閥に支えられ、安定した政権運営が期待できる。

 一方で、菅首相が総裁選で訴えた役所の縦割り打破や規制改革を本気でやろうとすれば、派閥均衡型の権力構造が足かせとなろう。

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