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米、菅氏に良好な関係継続を期待 対中連携に懸念も

2019年5月、米ワシントンのホワイトハウスでペンス副大統領(左)と握手する菅官房長官(在米国日本大使館提供・共同)
2019年5月、米ワシントンのホワイトハウスでペンス副大統領(左)と握手する菅官房長官(在米国日本大使館提供・共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は新首相に選出された菅義偉氏について、安倍晋三前首相による日米同盟を基軸に据えた外交政策を継承するのは確実とみて、現在の良好な日米関係が維持されることを強く期待している。一方で、既存の国際秩序を脅かす中国に対して態度変更を迫る米政権の対中政策に、菅氏がどこまで歩調を合わせる意思があるのか、注視していくことになりそうだ。

 菅氏は昨年5月に官房長官として訪米し、ペンス副大統領らと会談しているものの、米国留学経験のある安倍氏らと異なり、戦後生まれの有力政治家としては米国とのつながりが薄い。

 米政府関係者の間では、トランプ大統領と強固な個人的関係を築き、「自由で開かれたインド太平洋」構想を唱えて日米のアジア戦略を形作った安倍氏への評価が非常に高いだけに、菅氏への期待値も自然に上昇せざるを得ない。

 スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は15日、菅氏の首相就任に先立つ自民党総裁選に関し「期待した通りの結果で、日本にとって良い選択だ」と述べて歓迎の意向を表明し、「(菅氏と)一緒に仕事をするのを楽しみにしている」と強調した。

 菅氏は総裁選で、外交分野の懸案は「安倍(前)首相と相談して処理する」と述べており、米政権からは外交政策の継続性が確保されるとして一応は歓迎されそうだ。ただ、「安倍頼み外交」の傾向が目立ち過ぎれば、トランプ氏を含む各国首脳との外交で菅氏が存在感を発揮できない事態につながる恐れもある。

 一方、米政権にとって懸念材料となりそうなのは、菅氏が自民党総裁選で北大西洋条約機構(NATO)に範をとった「アジア版NATO」構想に関し「米中が対立する中で、反中包囲網にならざるを得ないのではないか」と否定的見解を示すなど、中国に「融和的」とも受けとれる態度が垣間見えたことだ。

 ポンペオ国務長官は15日、政策研究機関「大西洋評議会」のオンライン講演で「中国共産党の脅威に対する世界の見方は変わった」とし、米国が軍事や経済で覇権的行動を強める中国に対抗するため、懸念を共有する同盟諸国を糾合する立場を改めて表明した。

 米政権が日本にも対中連携で態度を明確にするよう迫ってくるのは必至とみられ、菅外交の真価が問われる局面が早晩訪れることになりそうだ。

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