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【主張】総裁選と経済 足らざる政策論じ尽くせ

 新型コロナウイルス禍がもたらす経済危機を克服し、経済再生の歩みを再び強める。自民党の新総裁に求めるのは、中長期的に経済を安定的な成長に導く戦略である。

 それには安倍晋三政権の経済政策を検証し、足らざる部分を適切に改善しなくてはならない。これは、安倍路線の継承を掲げる菅義偉官房長官を含めて論議を尽くすべきことである。

 第2次安倍政権発足後のアベノミクスで、デフレに苦しんできた日本経済は息を吹き返した。民主党政権時代の極端な円高が是正され、株価は上昇した。企業収益や雇用環境も大きく改善した。

 他方で企業は利益を投資に回すより貯(た)め込む傾向が強く、賃金も期待ほど増えなかった。消費は低調で、多くの人が景気回復の実感を得られぬままコロナ禍となったのである。問われているのは、これをいかに打開するかだ。

 総裁選候補のうち菅氏は、安倍路線を引き続き推進し、こうした懸案の解決を図る構えである。そのため役所の縦割りをなくし、デジタル化や地方創生などでさらなる改革を目指すという。

 これに対して石破茂元幹事長は東京一極集中の是正による都市・地方間格差の是正や低所得者への支援などを掲げた。岸田文雄政調会長も、アベノミクスの恩恵を十分に享受していない中間層の復活や格差是正に力点を置く。

 3氏のアベノミクスに対する間合いの取り方は異なるが、いずれの論点も、かねて指摘されてきた懸案である。それなのにこれまで対処できなかった原因は何か。懸案解決のため乗り越えるべき課題は何か。こうした点についても十分な議論を行うべきである。

 例えば格差是正のために行う分配政策は、予算のバラマキにつながりがちである。3氏には、聞こえのいい政策を羅列するだけでなく、実現可能性を踏まえた深みのある政策論議を求めたい。

 忘れてはならないのが、感染症対策と経済対策の両立である。家計調査によると、6月に持ち直した消費支出が7月に再び減少幅を拡大した。感染の再拡大が影響したようだが、消費を刺激しようとすれば感染リスクが増す。菅氏が旗を振った「Go To トラベル」事業を持ち出すまでもなく、コロナ禍での経済活性化策の実施には難しい判断がいる。この点についても明確にしてほしい。

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