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【検証92カ月】皇室 「譲位」 憲法との整合性苦心 安定的な皇位継承見通せず

 平成28年8月8日、天皇陛下(現在の上皇さま)が国民向けのビデオメッセージで「譲位のご意向」をにじませられた。現在の皇位継承者は(1)秋篠宮さま(2)悠仁(ひさひと)さま(3)常陸宮さまの計3人で、戦後最も少ない。将来にわたり安定した形で国の根幹をなす皇室をどう維持するか-。お言葉を機に注目が集まった皇位継承は、議論の行方次第では国論を二分しかねなかった。

 ビデオメッセージが流れた直後、政府高官はその影響力について「強いとか、そういうレベルじゃない。最終的な責任は政府にあるのだが…」と困惑を隠さなかった。

 安倍晋三政権が最も神経をとがらせたのが、憲法との整合性だった。憲法では天皇は国事行為のみを行い、国政に関する権能は有しないと定めている。そのため、「譲位のご意向」は憲法に抵触する可能性が指摘された。

 さらに憲法では皇位継承は「世襲」と定め、譲位に関する記述がない。明治期に制定された旧皇室典範以降、恣意(しい)的・強制的な譲位を排除するため、現代まで譲位は認められなかった。

 政府が国会と綿密なすり合わせを重ねた結果、29年6月に譲位を可能にする特例法が成立した。江戸時代後期の光格天皇以来、202年ぶりとなる譲位が可能となった。譲位は一代限りとする一方、政府は特例法が将来の譲位の「先例になり得る」との見解も示した。

 特例法では付帯決議も採択した。「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、先延ばしできない重要な課題」と指摘。政府に特例法施行後、すみやかに皇位の安定継承策を検討するよう促した。

 代替わりに伴う新元号の選定手続きでは、政府は国文学、漢文学、日本史学などの学識を有する有識者から提示された複数案から「令和」に決めた。菅義偉(すが・よしひで)官房長官が31年4月1日に発表し、安倍首相が記者会見で談話を発表した。令和は日本最古の歌集「万葉集」を典拠とし、初めて日本で書かれた国書を典拠とした元号が誕生した。

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