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経済界、アベノミクスを評価 首相辞任表明で円滑な政権移行求める

会見で辞任の意向を表明する安倍晋三首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)
会見で辞任の意向を表明する安倍晋三首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相が28日に辞任を表明したことを受け、経済界からは経済政策「アベノミクス」で企業業績を上向かせたこれまでの実績を評価する声が相次いだ。ただ日本経済は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という荒波を受けており、今後本格化する対策の実行に向け、スムーズな政権移行を求める意見が聞かれた。

 「憲政史上最長の在任期間の中で、アベノミクスの実行、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交の展開、安全保障政策の強化など、多大なる実績を挙げてこられた」。経団連の中西宏明会長は28日の談話で安倍政権を高く評価した。関西経済連合会の松本正義会長も「経済面で大きな実績を残されたと認識している」とコメントした。

 任期途中の辞任表明について、大阪商工会議所の尾崎裕会頭は「熟慮の上で決断されたことと思う」と心中を推し量る。清水建設の井上和幸社長は「しばらくは十分にご静養され、さらにご活躍されることを祈念します」とねぎらった。

 アベノミクスによる円安・株高効果で、輸出産業を中心に企業業績が回復。東京証券取引所によると、政権発足前にあたる平成23年度の東証1部上場企業(金融など除く)の連結最終利益の総額は10兆4960億円だったが、コロナ禍前の30年度には35兆2089億円に達していた。

 恩恵を受けた自動車業界関係者は「すそ野が広い自動車産業の重みを理解し、税制の見直しなどを進めてくれた」と語る。

 アベノミクスの柱の一つとされた観光政策。関連業界ではANAホールディングスの片野坂真哉社長が「長きにわたり日本経済の発展にご尽力いただいた」とのコメントを発表。百貨店業界からも「インバウンド拡大は業界に恩恵があった」(J・フロントリテイリングの好本達也社長)との声が寄せられた。

 中小・ベンチャー企業からも、フライングカー(空飛ぶ車)開発を手がけるスカイドライブ(東京都新宿区)の福沢知浩社長が「歴代政権の中で最も(創業間もない)スタートアップ企業に理解を示し、政府一丸で支援に取り組んでくれた」と評価する。

 一方、新型コロナ対策などの課題は残されたままでスムーズな政権移行を求める声も相次いだ。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、日本経済の成長力の回復は「誰が後継者でもかなりハードルが高い」と指摘する。

 総合商社の幹部は「新型コロナで経済への打撃が大きい中で、政治的な空白が生じることがないように取り組んでほしい」と注文。別の商社関係者も「自由貿易推進の方向性を維持する次期政権を期待したい」と要望を語った。

 経済同友会の桜田謙悟代表幹事は「新型コロナの克服という難題に的確に対処し、ニューノーマル(新常態)の経済、社会を築いていかなければならない」として、「一刻も早い国民に信頼される新内閣の発足」を要望した。

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