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首相辞任表明 TPP、日EUなど通商政策で成果 強まる保護主義 次期政権に課題残す 

 安倍晋三政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)といった大型の経済連携をまとめ上げるなど、通商政策で一定の成果を残した。中国も参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に関しては、今年11月の署名に向けて道筋をつけた。ただ、新型コロナウイルスの影響により世界で保護主義的な動きが強まっており、次期政権には自由貿易推進に向けた戦略的な取り組みの継続が期待される。

 「日本が中心となって、自由で公正な経済圏をつくり上げることができた」

 辞任を表明した28日夕の会見で政権の功績を問われた首相はTPPや日EU間のEPAなどに言及。通商政策を大きく進めたという自負をにじませた。

 TPPに関しては、農業などの保護の観点から国内に根強い慎重論がある中、首相は第2次安倍政権発足から約3カ月後の2013年3月、「国家百年の計だ」として交渉参加を表明。16年に12カ国で署名した。翌17年に誕生したトランプ米政権のもとで米国が離脱したが、日本は残りの国々との交渉を主導し、11カ国で新たなTPPの妥結、発効にこぎつけた。現在も英国やタイ、台湾が関心を示しており、外務省幹部は「参加国の拡大などでTPPをさらに魅力的にできるように取り組んでいく」と話す。

 みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は、「安倍政権は通商政策を外交戦略や成長戦略、経済安全保障の中に位置づけて官邸主導で推進したことで、高い実績を上げた」と評価する。

 ただRCEP交渉では大筋合意が近づいているとはいえ、インドの離脱可能性が高まっているという課題もある。首相が提唱したデジタル経済に関する国際的なルールづくりを含む世界貿易機関(WTO)改革も難題だ。

 新型コロナの影響で自国に医療品や食料を駆け込む国が増えるなど保護主義的な動きが強まっており、日本が恩恵を受ける自由貿易には逆風も吹く。米中対立はさらに激化すると予想されており、通商政策のかじ取りは難しさを増している。(高橋寛次)

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