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JAL、想定上回る旅客収入減 国内2社、成長の柱を国内線やLCCに

記者会見する日本航空の菊山英樹専務執行役員=3日午後、東京都内
記者会見する日本航空の菊山英樹専務執行役員=3日午後、東京都内

 日本航空は令和2年4~6月期(3年3月期第1四半期)連結決算(国際会計基準)で、経営破綻前の平成21年4~6月期に匹敵する937億円もの最終赤字を計上した。日航は破綻後、「リーマン・ショック級の経営危機にも対応できる」(幹部)手元資金を確保してきたが、新型コロナウイルスによる旅客収入の激減は想定を大きく上回った。日航は同じく巨額赤字を計上したANAホールディングス(HD)とともに、国際線よりも需要の回復が早い見通しの国内線や傘下の格安航空会社(LCC)を牽引(けんいん)役とする考えだが、黒字化の時期は見通せない。

 「まだ甘かったのかという思いだ」

 3日に会見した日航の菊山英樹専務は厳しい表情でこう語った。同社は10年前の経営破綻後、国際線の拡大を抑制し、現預金を売上高の2・6カ月分確保するなど規律を持った経営を意識してきた。破綻後、公的資金注入を受けたこともあり、自己資本比率の割合は6月末時点で約46%と、約34%のANAHDよりも高い健全性を維持している。

 ただ、それでも新型コロナによる減収の影響は吸収しきれなかった。各国の出入国制限で国際線の旅客収入は前年同期比98%減、国内線も外出自粛で85%減と、需要はほぼ蒸発した。国内線は年度末までに前年度比55~65%程度、国際線は10~20%程度までにしか戻らない見通しだ。

 こうした状況を受けて、日航は年度末までに人件費や広告宣伝費など固定費を900億円削減、さらに航空機投資などを抑制して800億円を確保するなどコスト削減を強化する。より経営規模が大きく最終赤字の額が過去最大だったANAHDもコスト削減を最優先する。役員報酬、夏季一時金の削減などの固定費や運航便数の調整などで変動費を抑制し、年度内に2500億円余りのコストを削減する考えだ。

 両社は経営の規模や手元資金の状況などは違うが、回復の見通しが立たないビジネス需要が中心の国際線から、より回復が早い国内線やLCC強化にかじを切るのは共通している。ただ、ANAHDは国際線と国内線のLCCを傘下に持つが、日航は国際線のLCCしか持っていない。両社が需要の回復により柔軟に対応して、LCCを含んだ路線を展開できるかが今後のカギとなりそうだ。菊山氏は「ビジネス需要の回復は楽観的に見ていない。(仕事と旅行を両立する)ワーケーションの拡大などを努力したい」と述べた。(大坪玲央)

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