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抑止力強化で目立つ“遠慮” 自民提言「敵基地攻撃」明記避ける

 自民党のミサイル防衛検討チームがまとめた政府への提言案は、一定の打撃力を持つことで相手に発射を思いとどまらせる能力の保有を事実上求めた内容だが、「敵基地攻撃(反撃)能力」とは明記せずに「相手領域内でも阻止する能力」と表現した。北朝鮮や中国などのミサイル脅威が飛躍的に増大し、検討チームでは明確な表現を求める意見もあった中、最終的に公明党などの慎重論に配慮した。

 自民党は過去に北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返した際も提言を策定した。平成25年は「策源地攻撃能力」、29、30両年は「敵基地反撃能力」と呼称した。

 今回の明記見送りの理由について、小野寺五典元防衛相は30日、記者団に「(過去に)敵基地反撃能力という言葉を使ったが、より正確に国民に伝わるよう議論した」と説明した。ただ、検討チームでは提言案の骨子が今月28日に示されて以降、「具体性がなく分かりにくい」といった意見が出ていた。

 一方、党内では敵基地攻撃(反撃)能力は「先制攻撃と混同されかねない」という懸念もある。連立政権を組む公明党には反対論が根強い。理解を得て能力保有を実現するために思慮は重要だが、脅威が急速に高まっている現実もある。

 北朝鮮は変則軌道を描くため迎撃されにくい新型弾道ミサイルを開発した。連続発射技術も向上させ、昨年以降に17回の発射を繰り返しながら、10分以上だった発射間隔を約20秒に短縮した。中国やロシアは超高速で飛ぶ極超音速ミサイルを開発し、迎撃一辺倒の防衛網では対応しきれなくなっている。

 提言案では「自衛のために必要最小限度のものに限る防衛力整備」を強調した。一方、抑止力強化については遠慮が目立ち、過去の提言よりも後退した印象を持たれかねない。(田中一世)

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