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ANA、成長牽引役の国際線拡大が裏目に 四半期過去最大の最終赤字

 ANAホールディングス(HD)が29日に発表した令和2年4~6月期連結決算は、四半期で過去最大の最終赤字となった。成長の牽(けん)引(いん)役のはずだった国際線の収入が、新型コロナウイルスによる渡航制限の拡大で、前年同期比で94%も減少したことが大きい。ビジネス需要や訪日観光客増加を見込んだ国際線の拡大路線が裏目に出てしまった格好だ。海外航空会社も新型コロナで軒並み苦境に陥っている。航空業界は向かい風を受けながら苦しい経営を強いられている。

 「8月には底を打つと思っていたが確実に遠のいている」。ANAHDの福沢一郎常務は、国際線、国内線の需要回復が4月時点の予測よりも遅れるとの危機感を示した上で、「国際線は5年度末にかけて緩やかに回復する」と厳しい認識を示した。

 同社は国際線を成長の柱に据え、特に利幅の大きいビジネス需要を見込める欧米中心に拡大路線を展開。昨年はハワイ路線に世界最大級旅客機のエアバスA380を投入するなど、観光路線にも注力し始めていた。しかしその直後に新型コロナの直撃を受け、東京五輪が延期となったことも痛手となり、国内線以上の減収に見舞われた。

 航空会社は固定費の負担が大きく、売上高の急減が赤字に直結する。ANAHDは、短期的には減便による変動費の削減や役員報酬、夏季一時金の削減といったコスト削減を進めてしのぐ姿勢だ。4~6月期にはすでに1625億円を削減。年度内にさらに900億円余りを削減する。

 同社は今年4~6月期に5350億円の融資を受けた上で、さらに融資枠も5千億円設定し、計1兆350億円の資金を6月末までに確保している。福沢氏は「当面の資金繰りには問題はない」と述べ、財務状況に自信を示す。

 ただ、海外の航空関連会社は、ANAHD以上に新型コロナの影響で苦境に立たされており、資金難に陥っている会社が目立つ。

 豪航空大手のヴァージン・オーストラリアが経営破綻したほか、デルタ航空など米航空会社は10社が政府融資を受けるなど資金調達が窮地に陥っている。航空機製造大手の米ボーイングは、各国の航空会社から航空機の発注停止が相次ぐなど経営状態の悪化が深刻化している。航空業界をめぐる経営環境は当面、新型コロナの感染状況次第となりそうだ。(大坪玲央)

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