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政府・自民にトマホーク配備論 中朝のミサイル攻撃抑止に期待

自民党・ミサイル防衛のあり方を検討するPTの会合に臨む(右手前から)中谷元氏、石破茂氏、小野寺五典氏、浜田靖一氏、岩屋毅氏、林芳正氏ら歴代防衛相=6月30日、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)
自民党・ミサイル防衛のあり方を検討するPTの会合に臨む(右手前から)中谷元氏、石破茂氏、小野寺五典氏、浜田靖一氏、岩屋毅氏、林芳正氏ら歴代防衛相=6月30日、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)

 「敵基地攻撃能力」の保有に向けて議論を進めている政府・自民党内で、米国製で英国にしか売却されていない長射程巡航ミサイル「トマホーク」の配備論が出ている。通常弾頭型で約1300キロ以上飛び、北朝鮮や中国を射程に収める。両国は日本を狙えるミサイルを多数保有しており、「撃ったら撃たれる」と発射を思いとどまらせる抑止力向上への期待がある。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画断念を機に、自民党は先月末からミサイル防衛のあり方に関する検討チーム(座長=小野寺五典元防衛相)を開いている。その非公開会合では、敵のミサイル攻撃に対して「迎撃だけでは対応しきれない」と敵基地攻撃能力保有を求める意見が相次いでいる。複数の防衛相経験者や国防族の有力議員は「手段の一つ」(中谷元・元防衛相)などとトマホーク導入を主張した。

 防衛省関係者は「海上自衛隊の護衛艦のキャニスター(格納容器)を少し改修すればトマホークを搭載できる」と語る。日本海上のイージス艦や護衛艦からなら北朝鮮のほぼ全域、東シナ海上からは一定の中国領土を射程に収める。

 防衛省関係者は、どの海自艦が搭載しているのか敵は判別できないという戦略上の利点もあるとし、「『能力保有』を宣言しなくても、攻撃されたら反撃できるトマホークを持つことが抑止力になる」と説明する。

 防衛省は、射程約500~900キロの外国製巡航ミサイルの導入も決めている。主に戦闘機搭載用だが、敵領空への接近はリスクもあり、佐藤正久前外務副大臣は9日の参院外交防衛委員会で「イージス艦だと(敵基地から)遠くの安全な場所から撃てる」と主張。敵ミサイル発射の探知・追尾段階で米海軍との連携も「容易」とトマホークの利点を強調した。

 日本を取り巻く周辺国の脅威は高まっている。北朝鮮は日本を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有。相手の迎撃能力を超えるほどの連続発射を行う飽和攻撃の技術を高めている。中国は約2000発の弾道・巡航ミサイルを配備。その多くが日本を射程に収めるとされる。

 同性能の巡航ミサイルの国内開発には数年以上を要する。政府関係者によれば、平成25年ごろの日米の非公式協議で「トマホークは売却しない」との方針を米側から伝えられたことがある。ただ、「トランプ大統領と安倍晋三首相の信頼関係があれば米政府は売却を認める」との見方も強い。調達価格はイージス艦が搭載している弾道ミサイル迎撃用の「SM3」の10分の1程度で済む可能性があるという。(田中一世)

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