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中国軍封じ込めへ教育訓練で布石 フィリピンとの情報共有

 政府がフィリピンと防空レーダー輸出に伴う情報共有を検討していることが判明した。政府は航空自衛隊の教育訓練で布石を打ち、実現に導く構えだ。情報共有の実効性が高まれば、九州-台湾-フィリピンを結ぶ第1列島線で中国軍を封じ込めやすくなり、台湾との連携も不可欠となる。

 自衛隊幹部は「バシー海峡の情報は日本防衛に欠かせなくなっている」と口をそろえる。ただ、中国の経済支援を背景にフィリピンの対中姿勢は定まらず、中国が横やりを入れる可能性もある。情報共有まで関係を深化させるには曲折が予想され、政府はレーダー輸出後の支援を重視する。

 輸出入契約の締結後、三菱電機は固定式レーダーの建造に着手し、3基の完成まで4年かかる。その間、比空軍の要員を招き、空自がレーダーの運用の教育訓練を行う方針だ。

 教育訓練のニーズがあると見込むのは、レーダーは航空機の接近を把握するだけでは不十分だからだ。速度や飛行形態のデータを蓄積し、データとひもづけすることで即座に戦闘機などを識別して対処できるようになり、そこで初めて警戒監視網として機能する。

 空自のノウハウを伝えることが関係を深め、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=職場内訓練)の手法で現地指導をすれば中国軍機の情報をその場で共有できる。運用が軌道に乗ると、機密性の高い情報を保全する情報保護協定を東南アジア諸国で初めて締結することも視野に入る。

 フィリピンとの防衛協力強化は米軍の同国内での法的地位を定めた訪問軍地位協定の破棄問題でぎくしゃくしている米比同盟を下支えする意義もある。

 元空将の尾上定正氏は「台湾とも連携して第1列島線で中国軍を閉じ込めることが重要だ」と指摘する。高性能のレーダーや戦闘機を保有する台湾との連携にも拡大すれば、日台比と米で中国軍に対する強固な壁を築くことにつながる。(半沢尚久)

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