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大企業の景況感悪化は底打ち 緊急事態宣言解除で 回復は緩やか 6月短観

日本銀行本店=東京都中央区(川口良介撮影)
日本銀行本店=東京都中央区(川口良介撮影)

 日本銀行が1日に発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、3カ月後の先行きの景況感が大企業で改善された。緊急事態宣言の解除を受け、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景況感の悪化に下げ止まりがみられた。ただ、体力の乏しい中小企業の先行きの景況感は悪化。感染拡大の第2波への懸念も根強く、企業心理がコロナ以前に戻るには時間がかかりそうだ。

 今回の調査は、緊急事態宣言解除後の5月28日から6月30日に行われた。経済活動が徐々に再開され、大企業の製造業、非製造業ともに先行きの景況感が改善された。

 業種別でみると、自動車の先行きの業況判断指数(DI)がマイナス51と、足もとに比べ21ポイント改善。世界的な経済活動の再開で輸出の回復などが期待され、トヨタ自動車は「世界販売台数は、想定を上回る回復ペースがみえてきた」(広報担当者)と説明する。

 宿泊・飲食サービスの先行きのDIもマイナス77と14ポイントの改善だった。外出自粛要請が解除され、個人消費がある程度回復するとみられるからだ。

 また、全規模全産業の先行きの雇用人員判断DI(「過剰」から「不足」を引いた値)もマイナス9と足もとに比べると3ポイント不足方向に振れており、雇用環境も改善が見込まれる。

 前向きな企業の動きも一部で出ている。IT投資の拡大などで、大企業全産業の今年度のソフトウエア投資額が前年度比3・0%増と、前回3月調査に比べ2・9ポイント上方修正された。

 ただ、改善されたとはいえ、大企業の景況感の先行きDIはマイナス圏で、水準は低いままだ。さらに、中小企業の先行きDIは製造業、非製造業ともに悪化。国内企業数の99%以上を占める中小企業が立ち直れなければ、日本経済の本格的な回復も見込めない。

 「訪日外国人向け需要など、経済が元に戻るには相当な時間がかかる」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)ため、景況感の悪化は底を打ったとはいえ、回復自体は緩やかなものになりそうだ。(大柳聡庸)

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