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訓練中止、海外派遣延長…新型コロナ蔓延長期化で国防にも影響

海上自衛隊P3C哨戒機部隊=アフリカ東部ジブチ(防衛省提供)
海上自衛隊P3C哨戒機部隊=アフリカ東部ジブチ(防衛省提供)
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 新型コロナウイルス蔓延(まんえん)の長期化は、日本の国防政策にも影響を及ぼしている。防衛省は感染リスクがあるとして大規模訓練を中止した。外国との共同訓練、隊員の海外派遣、さらには防衛装備の開発や配備といった今後の国防計画への余波も懸念される。

 陸海空3自衛隊では5月4日までに隊員13人が感染した。総勢20万人以上で集団生活も多いことを考慮すればまだ少ないが、制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は「気を引き締めて予防し、任務遂行の基盤を作っていくことが重要だ」と強調する。

 河野太郎防衛相は4月17日、複数の自衛隊駐屯地・基地から部隊が集まる訓練や、駐屯地・基地内の半数以上が参加する訓練について、緊急事態宣言の期間中は見合わせるよう指示した。陸上自衛隊では6月頃に複数の部隊が参加する訓練が本格化する。しかし、宣言の期間がこれ以上延びるようなことがあれば、練度低下が懸念される。

 情報収集と海賊対処のために1月20日、中東に派遣された海上自衛隊P3C哨戒機部隊60人は、3カ月後の4月に交代を想定していたが遅れている。活動拠点を置くアフリカ東部ジブチの政府が外国人の入国を制限し、後任部隊が現地入りできないからだ。防衛省は派遣長期化による疲弊を考慮し、後任隊員を2週間隔離した後に現地入りさせる方法で交代できないかジブチ政府と交渉している。

 エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦維持を監視する「多国籍軍・監視団」(MFO)司令部に派遣されている陸自幹部2人は4月、昨年の任務開始から1年の交代時期を迎えたが、同様にエジプト政府の入国制限のために交代時期は見通せない。MFO派遣は「わが国の積極的平和主義の具体例の一つ」(菅義偉官房長官)であり、派遣を延長し、撤収はしない方向で検討している。

 国防態勢の整備にも影響が出始めている。

 地上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備先の選定に向け、専門業者が4月30日までに終える予定だった東北での適地調査は、5月末までに延期となった。業者の作業が在宅勤務に移行し滞ったからだという。

 防衛省が2030年代半ばの導入を目指している次世代型戦闘機の開発事業も、日米の当局者同士の往来ができず協議が深まっていない。(田中一世)

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