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韓国が資産現金化なら対抗措置 「徴用工」判決1年半

文在寅大統領(中央)(大統領府提供・共同)
文在寅大統領(中央)(大統領府提供・共同)

 いわゆる徴用工訴訟をめぐり、韓国最高裁が新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じる確定判決を出してから30日で1年半となる。判決は日韓関係の基盤である1965年の日韓請求権協定を覆しただけに、政府は韓国側の責任で解決策を示すよう強く求めてきた。だが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「三権分立」を理由に主体的な関与を避け続け、原告側による日本企業の資産の差し押さえと現金化に向けた手続きが進んだ。

 「旧朝鮮半島出身労働者(元徴用工)の問題は日韓の最大の懸案であり、今後も韓国に国際法違反の状態の是正を強く求めていく」

 菅義偉官房長官は16日の記者会見でこう訴えた。とはいえ、これまで不作為を続けてきた文政権が、にわかに動くとは考えにくい。むしろ、15日の韓国総選挙で与党が圧勝したことで、文政権は対日姿勢をさらに強める可能性がある。

 安倍晋三首相は昨年12月の日韓首脳会談で、文氏に韓国側の責任で解決策を示すよう直接求めた。

 しかし、文氏は今年1月の記者会見で「ともに知恵を集めれば、十分に解決できる余地がある」と述べ、日本側にも解決策を示すよう促した。念頭には、原告への慰謝料として日韓両国の企業が出資する案や、企業と国民から寄付を募る案があったとみられる。

 しかし、日韓請求権協定は、両国民の財産や請求権に関する問題の「完全かつ最終的」な解決を確認している。国交正常化交渉の過程で韓国側は、徴用を含む補償に関し、日本側が提案した個人への支払いを断って、韓国政府への一括供与を求めた。その結果、政府は韓国政府に5億ドルの供与を約束し、実行した。

 日本の企業が拠出すれば、請求権協定との矛盾が生じる。政府に韓国が提示した案を受け入れる余地がないのはこのためだ。 

 韓国側が、判決で生じた国際法違反状態を是正しない間に進んだのは、原告による日本企業の財産差し押さえと現金化するための手続きだった。

 資産売却は、原告の申請を受理した裁判所の判断に委ねられているが、「いつあってもおかしくない」(日韓外交筋)とされる。

 現金化に至った場合、日本政府は速やかに対抗措置を講じる考えで、韓国側の資産差し押さえや輸入関税の引き上げなど二桁に上るオプションを検討している。「どの措置を発動するか、最後は政治の判断」(外務省幹部)で、首相が文政権の対応や日本経済への影響を見極めた上で決断するとみられる。

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