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緊急事態宣言、自治体側は暗中模索 「想定していなかった事態」 

 改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が現実味を帯びている。宣言が発令されれば、都道府県知事による外出自粛要請などの措置が可能になる。「Xデー」をにらみ、自治体側は発令後の具体的対応の検討に着手しているが、前例のない事態だけにシミュレーションし切れていないのが実情だ。

 「関東圏については、現段階で持ちこたえていると思う」

 埼玉県の大野元裕知事は3月31日の記者会見でこう述べ、首都圏を対象区域とする緊急事態宣言は時期尚早との認識を示した。

 緊急事態宣言は、全国的かつ急速な感染の蔓延(まんえん)により国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと判断された場合、期間や区域を定めて首相が発令する。宣言によって、都道府県知事は、外出の自粛要請▽興行施設の利用制限の要請・指示▽臨時医療施設の開設に必要な土地の強制使用-などの措置が可能になる。

 緊急事態宣言の必要性が取り沙汰されるのは、大都市圏を中心に経路が特定できない感染事例が相次いでいるためだ。大野氏のような時期尚早論がある一方、「宣言を出すべきだ。東京と大阪が候補地になる」(大阪府の吉村洋文知事)といった意見も根強い。

 仮に宣言が出た場合、対象区域の住民にはどう影響するのか。

 埼玉県の場合、新型インフルエンザの流行に備えて平成26年に策定した「新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づいて要請などを行うことになるが、現時点で県は発令後の対応を見通しきれていないのが実情だ。大野氏は「想定していなかった事態が生じている。宣言が発令されても、これまでの行動計画をそのまま適用できるわけではない」と語る。

 また、外出自粛要請は本来、緊急事態が宣言されてから発令されるものだが、首都圏1都3県などはすでに外出自粛を呼びかけており、宣言後の自粛要請との違いは住民にとって分かりにくい。厚生労働省幹部は「各知事による自発的な自粛要請は、結果として緊急事態宣言への『地ならし』になった」と解説する。

 土地強制使用など私権制限を伴う措置も、現実的に全てが行使されるとは考えにくい。大野氏は「私権の制限を伴う措置は最小限であるべきだ。大きな権限を与えられても、粗く当てはめるべきではない」と強調した。

 防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんは「日本では強権的な『都市封鎖』は法的にできない。他の災害と異なり、インフラも生きているので、深刻な混乱は生じないのではないか」と話している。(竹之内秀介)

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