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東京五輪「中止」は回避 安倍首相とIOCの利害一致 「延期」容認に入念にすりあわせ

 安倍晋三首相は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7月の東京五輪の開催延期を容認する考えを初めて示した。首相が先進7カ国(G7)首脳による16日の緊急テレビ電話会議で、五輪を「完全な形で実施したい」と語ったことを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が柔軟な姿勢に転じたとみられる。首相もIOCも「中止」の判断だけは避けたかったようで、22日には大会組織委員会の森喜朗会長を挟み、入念なすりあわせが行われた。

 「トランプ米大統領をはじめ、G7の首脳も私の判断を支持してくれると考えている。判断を行うのはIOCだが、中止が選択肢にない点はIOCも同様だ」

 首相は23日の参院予算委員会で、IOCが4週間以内に延期も含めて検討を進めることに理解を示しつつ、東京五輪そのものが「中止」とはならないことを強調した。

 中止となれば、これまでの準備の多くが水泡に帰すばかりでなく、日本経済に及ぼす悪影響は「延期」の比ではない。IOC側も五輪開催が1回分吹き飛べば、スポンサー料など収入面で甚大な被害を受ける。

 首相は、G7首脳に「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」として、規模縮小や無観客ではなく「完全な形で実施したい」と根回しし、「中止」の選択肢を消すことに努めた。大会組織委幹部は「首相のG7での振る舞いを見て、利害の一致したIOCが延期を含めた検討を始めた」と解説する。

 「好都合だった」と森氏も振り返る。これまでは、感染がどう広がるか分からない現状で、早々と結論を決めるのは得策でないとして、決断を5月下旬頃まで先送りする案もあった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中で日を追うごとに深刻化していた。連日のように各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)や競技団体、現役アスリートらが声を上げ、組織委への風当たりは強まっていた。

 森氏は23日の記者会見で「われわれもIOCと話を合わせたいと、月曜日(23日)から(電話会議を)やろうと思っていた。(開催が)早まり、よかった」と打ち明ける。組織委側がバッハ氏から「延期」という単語を聞いたのは22日が初めてというが、事実上、電話会議が決まった時点で延期の検討は決まっていたのかもしれない。

 森氏は22日、首相や東京都の小池百合子知事らと電話で対応を協議し、特に首相とは3回も連絡を取り合った。首相は、IOC側が延期を決断した際、受け入れる考えも示したという。首相は23日の参院予算委でこう強調した。

 「世界中のアスリートがしっかり練習でき、世界からしっかり参加していただき、アスリートや観客が安心できる形で開催したい」(森本利優、原川貴郎)

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