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自然災害リスクへの警戒高まる 川沿いの住宅地、公示地価で下落顕著

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 令和2年の公示地価では、昨年10月の台風19号による浸水被害に見舞われた長野、福島などの川沿いの住宅地が、全国下落率上位に並んだ。河川改修などの対策事業は始まっているものの、災害リスクが意識されて「需要が減退している」(国土交通省)。大規模な自然災害が続いた昨年は、かねて指摘されていた自然災害リスクが地価に反映される年となった。

 北陸新幹線車両の3分の1にあたる120両が水に漬かった「長野新幹線車両センター」近くにある長野市の住宅地は、マイナス13・6%落ち込み、下落率は全国最大となった。付近の住宅の1階が水没被害に遭った。

 国交省によると、台風19号の影響で前年より4ポイント以上地価が下落した地点は、長野市の住宅地や福島県いわき市の商業地など各地の住宅地、商業地、工業地、計22カ所に上った。

 日本不動産研究所の吉野薫不動産エコノミストは、災害発生後、地価が回復するかどうかは、「実需環境がどう推移するかに依存する」と指摘する。

 平成28年の熊本地震発生後、熊本市内の地価は、比較的早く上昇に転じた地点が多かった。一方、熊本市周辺の被害を受けた町村では、地価がなかなか上昇に転じないところもあった。

 熊本市中心部以外では、人口減少や高齢化が進んでおり、災害後も土地の需要が戻りにくい。「地震に限らず台風のような自然災害に関しても同じことが言える」(吉野氏)という。

 実際、川崎市の武蔵小杉駅近くにあるタワーマンションは、台風で浸水し全棟停電する被害を受けたが、周辺の川崎市の住宅地は1・6%上昇した。

 タワマンは駅近くなど、立地の良い場所に建っているケースが多い。人気は根強く、立地する地価は「上昇傾向にある」(吉野氏)と指摘する。

 もっとも、自然災害による被害の拡大傾向を受け、災害リスクへの意識が、不動産市場では総じて高まっている。タワマンは、大きな日陰面積を生み出す影響などを考慮し、川沿いなどの水辺に建設される傾向がある。今後は、災害への備えが、タワマンの需要に影響を与えることも予想される。

 プロ投資家の間では、投資物件周辺のハザードマップ(浸水予測地図)を調べる動きが広がっているとされる。自然災害リスクが地価に与える影響は強まりそうだ。(岡田美月)

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