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習氏訪日延期は吉と出るか 「国賓」反対論強まる環境変わらず

中国の習近平国家主席=北京(新華社=共同)
中国の習近平国家主席=北京(新華社=共同)

 中国の習近平国家主席の国賓来日をめぐり、政府内には、新型コロナウイルスの感染が中国全土へ拡大した2月初旬には「延期不可避」との見方が広がっていた。しかし、予定を崩そうとしない中国側への配慮もあり、実際に延期が固まったのは、同月28日の中国の外交担当トップ、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員の来日時まで遅れた。今後、習氏の国賓待遇への反対論が弱まる保証はなく、延期が吉と出るか凶と出るかは不透明だ。(原川貴郎)

 「桜もいいけど、日本は紅葉もきれいだ」

 政府高官は3月に入るとこう語り、習氏の来日を秋以降で再調整していることをうかがわせた。それでも、日中両政府が訪日延期を5日まで正式に発表しなかったのは、「中国国内の手続きの問題」(政府関係者)。つまり、習氏の決裁を得るのに時間を要したからだという。

 もともと、政府内では中国政府が新型肺炎の国内対応に追われたこともあり、2月上旬には「訪日延期」が既定路線となりつつあった。ただ、中国側が楊氏を同月末に訪日させると伝えてきたことで、一時は「予定通り来日し、ウイルスを克服したとお墨付きを得ようとしている」(外務省幹部)との見方も広がった。

 しかし、中国は同24日、今月5日に開幕を予定した全国人民代表大会(全人代=国会)の延期を決定。本来、楊氏の訪日は国賓来日に向けた露払いの場となるはずだったが、両国民の往来すら難しくなるほどの事態の悪化を受け、実際は延期を申し合わせるしかなかったとみられる。

 安倍晋三首相は2月28日、首相官邸で面会した楊氏に、「(国賓訪日は)十分な成果を挙げるために入念な準備を行わなければならない」と強調。楊氏も面会後、記者団に「円満な成功を収めるために各方面の意思疎通を強化していくことで一致した」と述べ、延期の腹合わせが終わったことをうかがわせた。

 首相は支持基盤の保守層の反対を振り切っても国賓訪日の準備を進めたが、中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で公船による挑発行為をなおやめない。

 さらに、新型肺炎に関して「発生地の中国の隠蔽体質が世界的な蔓延(まんえん)を招いたのではないか」(自民党の山田宏参院議員)と批判も強い。習氏が実際に国賓来日するときまでに「円満な成功」を収める環境が整うかは未知数だ。

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