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与野党攻防、舞台は参院へ 臨時休校措置が新たな争点

 衆院本会議で2020年度予算案が賛成多数で可決され、自席に戻る際に自民党の二階幹事長(左)と言葉を交わす安倍首相=28日午後
 衆院本会議で2020年度予算案が賛成多数で可決され、自席に戻る際に自民党の二階幹事長(左)と言葉を交わす安倍首相=28日午後

 令和2年度予算案が衆院本会議で可決され、与野党攻防の舞台は参院に移る。衆院での審議は与党ペースで進んだものの、政府が肺炎を引き起こす新型コロナウイルス対策として打ち出した臨時休校措置など新たな争点も浮上しており、参院の審議が紛糾するのは必至だ。

 「コロナウイルスの問題で景気対策などに万全を期さなくてはならないときに、予算の早期成立が大変重要だと考えていただけに大変喜んでいる」。自民党の二階俊博幹事長は28日夜、国会内で予算案の衆院通過の意義をこう強調した。

 予算案の審議は3月2日に参院で始まり、同日には全閣僚が出席する基本的質疑が行われる。自民党の世耕弘成参院幹事長は28日の記者会見で「新型肺炎対策が議論の中心になるだろう。この問題は国民が力を合わせて乗り切らなければならない。党派を超えて建設的な議論をしたい」と強調した。

 憲法の規定により、予算案は参院送付後30日で自然成立するため、今年度内の成立はすでに確実となっている。感染拡大に伴いスポーツや文化イベントが中止となる中、政界には「国会も休会にして、率先して姿勢を示すべきだ」(日本維新の会の馬場伸幸幹事長)との声もある。

 ただ、与党側がこうした意見に耳を傾けることはなさそうだ。ある参院自民幹部は「国会は閉じない。予算委のメンバーが(新型肺炎で)倒れたとしても最後の一人になるまで続ける」と意気込む。参院の責任を示すためにも「自然成立は恥」との自負があり、採決を経て成立させることに強いこだわりを持つ。

 とはいえ、参院での審議が円滑に進むかは不透明だ。政府が唐突に発表した休校措置をめぐっては、与党からも「休校に意味がないとは言わないが、政治的コストの方が大きすぎる」(公明党幹部)などと異論が噴出している。安倍晋三首相は野党の追及に加え、与党の懸念にも直面することになりそうだ。

 また、首相が全国的なイベントの自粛を要請した直後に秋葉賢也首相補佐官が政治資金パーティーを開いた問題も発覚。さらに、野党は黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題を引き続き追及する構えを崩していない。戦略を誤れば、下降気味の内閣支持率のさらなる低下を招きかねない。(今仲信博、大橋拓史)

 参院で予算案審議が始まる3月2日は、安倍晋三首相の要請に基づく小中高の休校スタートと重なる。野党内は休校そのものへの評価に温度差はあるが、「唐突だ」との批判では一致する。当面は「桜を見る会」などの問題以上に追及の主要テーマとなる見込みだ。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は28日、記者団に「万端の準備をしないまま首相が決断した可能性が高い。衆参の各委員会できちっと問いただしていく」と述べ、決定過程について追及を強める姿勢を示した。

 国民民主党などはかねて新型インフルエンザ対策特別措置法の適用を主張してきたが、政府は慎重だった。ただ首相は28日の衆院総務委員会で、新型コロナウイルス対策の立法にあたり、同特措法を「参考」にすると表明。野党国対幹部が「遅すぎる」と批判する首相の判断も追及の的になりそうだ。

 一方で、首相は法案の早期成立へ野党の協力も求める姿勢も示しており、「われわれの声も踏まえた特措法を作るなら協力したい」(国民の舟山康江参院国対委員長)との声もある。「協調か対決か」を問われた野党内で共闘の足並みが乱れる可能性がある。

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