PR

ニュース 政治

中曽根元首相死去 サミット首脳写真でセンター占めた秘策 小林静雄・元政治部長

 さらに中曽根氏は「その日に着けるネクタイは自分で選ぶの? それともナンシー(夫人)が選ぶの?」「ネクタイを買うときは自分で選ぶのか」などとネクタイ談議に引き込んだ。レーガン氏も「ネクタイは自分で選ぶんだ。自分で気に入ったものを買うんだ」などと応じたという。

 有名になっていたロン・ヤス関係もあり、親しそうに会話する日米首脳の姿

をカメラは全世界に中継した。会話の内容は遠いテレビのマイクでは拾えない。

 会話しているうちに撮影会場に到着、記念撮影で中央に写る米国大統領の隣

の位置を確保できたのだ。

 のちに中曽根氏は「自省録-歴史法廷の被告として-」(新潮文庫、平成29年発行)で、このときのことをこう書いている。

 「私は会議場を出るとき、たまたまレーガン大統領と一緒になりました。軍艦マーチの吹奏を日本のジャーナリズムが非難したことを国務省が気にしていると耳にしていたので、『まったく心配ない。あれは日本では名曲とされていて、演奏することはまったく問題ない』とレーガン大統領に歩きながら説明したのです。そうしているうちに気が付くと、撮影の場所に着いていました」

 (軍艦マーチの件は、サミット歓迎式で米国の軍楽隊が軍艦マーチを演奏したことを日本の一部新聞が不適切と報じたことを指す)

 たまたまレーガン大統領と一緒になったどころではない。考え抜いた秘策を一瞬のタイミングをとらえ繰り出し、それがみごとにはまったのだ。

 サミット首脳の記念写真の中央に写りこんだことが日本の国際的地位の上昇を内外に印象付けたのだから、中曽根氏の政治センスが光った場面だった。 (元政治部長・小林静雄)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ