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【から(韓)くに便り】黒田勝弘 山は下りる時に転びやすい

(1)については今年の成長率が1%台にまで低下する可能性や貿易低迷など状況はきわめて厳しい。

 (2)では、日本とは対立し米国からは叱られ中国は依然、冷たいため、孤立感が深まりつつある。(3)は一時、北を対話と交渉に引き出したと自慢していたが、非核化のメドは立っていない。3点すべてで「困った」ことになりつつあるのだ。そうなると「まずは日本との関係改善を」という心理がはたらく。この地の地政学環境や歴史的経験から手っ取り早くそう考えるのだ。

 韓国にとって日本という存在は「負けてはならない」という対抗心を背景にした「元気のもと」であると同時に、どこか甘えをも伴った「安心のもと」でもある。日本との関係悪化と対立が長く続くと民心も政治も落ち着かなくなり、イラ立ちと不安感が募る。具体的な解決策よりまず「何とかすべきだ」という心理が広がる。

 日本は韓国内部のこうしたイラ立ち、じれ、不安をどう活用するか。政権が下り坂に入り、今後さらに与野党、保革、左右の対立が激する見通しのなか、細心の対応が必要だろう。

 登山では下りが危ないという。下るときの方が転びやすいからだ。韓国ではこのところ文政権に対し保守派を中心にそうした皮肉な助言が聞かれる。大先輩の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に学び、外交をはじめ理想主義的な独り善がりを早く脱し、現実主義になれというわけだ。(ソウル駐在客員論説委員)

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