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【NEWSルーペ】負けなかった?五輪マラソン変更 「合意なき決定」の舞台裏

 IOCの札幌案が公表されたのは10月16日。小池知事は前日の15日に、組織委の武藤敏郎事務総長から直接聞かされた。組織委に都職員を800人以上も送り込んでいながら、事前に情報を得られなかった。

 五輪は「政治」が如実に表れる。政治判断を下す際に重要な情報収集に難があったことは知事側の失点だろう。わずか2週間ほどで、東京大会開催を揺るがすほどの判断を強いられるのは酷だったに違いない。

 ■再選へ影響は

 「知事は勝ったんです」。後日、記者と酒を酌み交わした都の職員はこう胸を張った。経費負担を回避し、記念マラソンを得て、「合意なき決定」のアピールでIOCに膝を屈しなかった。小池知事は「決まっていると言い張る相手に対して、交渉するのはタフだった」と総括する。

 しかし花形競技を奪われたことの損失は大きい。札幌変更案をめぐり、都に寄せられた意見の中で賛否を示す内容のうち、88%に当たる368件が札幌案に反対する意見だった。

 都議会最大会派の「都民ファーストの会」は沿道を訪れる観客の消費や波及効果を含めて、「損失は数百億円」と算定している。

 ただ、小池知事への風当たりは弱い。むしろ札幌市側へ「辞退すべきだ」などの抗議電話が押し寄せているという。

 来夏に予定される知事選で対立候補を検討している自民党都連は1日、「決定は残念でならない」という幹事長談話を出しただけで、小池知事への批判はなかった。一方で共産党都議団は「都にも重大な責任がある」と追及した。

 小池知事が再選出馬を明言していない次の知事選がどう転ぶかは不透明だ。ただ、世論を味方に付け、批判を遠ざけた知事の大きな失態にはならなかったとは言えるだろう。

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