PR

ニュース 政治

【数字から見えるちば】小中学校プール減少数 1都4県で最多 維持管理に負担 ちばぎん総研主任研究員・船田映子

 小中学校の夏の思い出には、水泳の授業や夏休み中の利用開放などプールの思い出が少なくないが、自前のプールを所有している学校は年を追って減少しているのが現状だ。

 千葉県の平成12年時点の公立学校プール設置率は、小学校が95・5%(全国4位)、中学校が92・5%(同6位)で、ほとんどの学校にプールがあった。県内の小中学校数が20年の1267から27年には1226校(マイナス41校)に減少する中で、学校プールは同じ期間に1061から895カ所へと学校数を上回る166カ所も減って、屋外プール設置率は83・7%から73%へと約1割低下した。人口減少地域を抱える千葉県のプール減少数は、1都4県中で最も多い(全国では5位)。

 プール廃止は、屋外プールの稼働期間が6月後半から夏休みの終わりまでと短い割に、施設維持や教職員らによる衛生管理などの負担が大きいことが背景の一つになっている。特に施設維持は、プール施設の多くが築30年以上経過し老朽化していることで問題が表面化している。

 こうした中で、新たな取り組みとして、水泳授業の民間施設利用が始まっている。これまでも、自前プールがない学校は、近隣校施設を借りるか水泳授業そのものを行わないかしかなかったが、佐倉市では、老朽化した小学校(2校)のプールを廃止した25年以降、授業は民間のスイミングスクールでプロのインストラクターの指導で行う取り組みを始めた。

 その成果をみると、学校プールの維持管理コストの軽減や屋内施設で天候に左右されないメリットのほか、教職員の働き方改革の一助にもなっている。また、児童へのアンケートでは、98%がスイミングスクールでの授業が楽しいと回答するなど、水泳教育の質向上にもつながっており、目覚ましいものがある。

 このため同市は、水泳授業の将来像として、授業を市民プールと民間プールにほぼ集約化した上で、市内全校の授業を民間委託する方向性を打ち出している。授業を市民プールで行うことは稼働率上昇にもつながり、市民プールの年間営業にも寄与するとしている。

 県内市町村の公共建築施設の延べ床面積に目を向けると、学校施設が占める割合が約5割と最も大きい。児童・生徒数の減少が進む中で、学校統合や施設廃止は方向としては避けられないことだが、卒業生の住民などからは施設がなくなることに対する反対の声も依然根強い。

 1都4県の中ではプール統廃合が比較的進んでいる中にあっても、人口減少が続く市町村では今後もプール施設などの集約化を進める必要があるが、その際には維持管理負担の大きさや民間施設利用のメリット(教育の質向上など)を丁寧に説明しつつ、児童・生徒や保護者、近隣住民、自治会など地域の関係者の合意を取り付けていくことが重要だ。(寄稿)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ