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【世界のかたち、日本のかたち】大阪大教授・坂元一哉 自衛隊の憲法議論急げ

憲法改正の実現に精力を注ぐ安倍晋三首相=10月1日、東京・永田町の自民党本部
憲法改正の実現に精力を注ぐ安倍晋三首相=10月1日、東京・永田町の自民党本部

 ポスト「戦後」といってよい新しい時代(2月25日付本コラム参照)を迎えたいま、「戦後」最大の憲法問題、すなわち自衛隊は合憲か否かの憲法問題には、なるべく早く決着をつけたいものである。

 安倍晋三首相は2年前の憲法記念日に、憲法9条の1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)をそのままにして、憲法に自衛隊を明記する、という憲法改正のアイデアを出している。この画期的なアイデアが実現すれば、いまでは国民の大方の合意がある自衛隊の合憲性を憲法上明確にできると期待したが、国会での議論は進んでいない。

 議論が進まない理由はいろいろだろうが、自衛隊をどう明記するかが案外難しいのもその1つかもしれない。というのも、いまの自衛隊には、自衛隊の名称はそのままでいいのか、いまの志願制は続けていけるのか、軍事裁判所は不在のままでよいのか、といったことなど、この組織の将来のために、あらためて国民的な議論が必要になっているところがあるように思えるからである。

 そうした議論を自衛隊明記の前にした方がいい、ということなら、明記は2段階で行ってはどうかと思う。まずとりあえず、いまの自衛隊の合憲性を憲法に明記して「戦後」最大の憲法問題に決着をつける。そのうえで自衛隊そのものの明記は、ポスト「戦後」、つまり令和の憲法問題として引き続き議論していくというやり方である。

 そういうやり方の場合、合憲性の明記は、全部で103条ある憲法の条文の後に第104条を新設し、そこに、「この憲法のいかなる条項も自衛のための実力組織の保持を禁じるものではない」といった文言を書き込めばいいだろう。

 文言は一例だが、大切なことは、新条文の文言によってはじめて自衛隊が合憲になったという議論を生じさせないことである。そのためこの例では、自衛隊を合憲とする政府の憲法解釈を確認する趣旨の文言にしている。そういう文言なら、自衛隊が憲法違反で「ない」ことも、「なかった」ことも明確にできるだろう。

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