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【話の肖像画】国連軍縮担当上級代表(事務次長)・中満泉(56)(1) 軍縮に新しい視点を

(野口正博撮影)
(野口正博撮影)

 〈北朝鮮やイランの核問題、中距離核戦力の開発をめぐる米露の対立、核拡散防止条約(NPT)の空洞化…。かつてないほど課題が山積する時代に、国連の軍縮部門トップとして奔走する。ニューヨークの国連本部の30階にあるオフィスには、加盟国の大使や政府関係者などがひっきりなしに訪れる〉

 私は国連で約20年のキャリアがありますが、軍縮部門は初めてで、最初に打診を受けたときは驚きました。国連のグテレス事務総長からは「組織をシェイクアップ(大刷新)してほしい」と何度も言われました。軍縮に新しい視点を吹き込むことが私の一つの使命だと思っています。軍縮部門の事務次長となってからは無我夢中です。核軍縮に焦点が当たりがちですが、シリア化学兵器問題、サイバーや人工知能(AI)、通常兵器、小型武器など幅が広い。その都度勉強しながら走ってきたような感じですね。

 グテレス事務総長は昨年5月に軍縮に関する国連の行動計画を示した「軍縮アジェンダ(議題、検討課題)」を発表しましたが、このときは1年間で80カ国以上の代表と面会して各国の意見を聞きながらまとめました。国連総会や安全保障理事会の要請に基づいた報告書ではなく、事務総長主導で発表するのは珍しいこと。核保有国の米英仏中露の5カ国が公の場でアジェンダについて文句を言わなかったことは、ほっとしました。

 軍縮は安全保障に直接関わる問題なので、米国との関係は非常に気を使います。ロシアや中国もそうですけど。米露の関係が悪化している中で、落としどころは非常に難しい。痛感しているのは、そういう時代だからこそ、個人と個人の信頼関係を築くことが重要だということ。普段から情報交換のために電話で連絡を取り合ったり、演説でその国に不都合なことを言及するときは事前に説明したりして、関係構築にいろんな工夫をしています。

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