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【歴史の転換点から】江戸無血開城の「点と線」(4)西郷と勝 慶喜助命は暗黙の了解 

 あわてた渡辺が西郷のもとに駆けつけ、事情を説明したところ、西郷はがくぜんとした様子を見せた。が、しばらくして「それはかえって幸いだ。このことは自分で言うことにしよう。なるほどよかった」と話し、何の憂いもないような表情になったという。

 従来この言葉は、渡辺が「『(江戸城攻撃回避を要請している)勝がこのことを知ったら、われらの不利となる』と西郷が話した」と語ったことから、勝との会談をにらんだものと解釈されてきた。筆者はむしろ「友軍」に向けたものとみているのだが、詳細は次回に譲りたい。

 一方、先に勝がパークスに手を回して「戦争回避」を働きかけた-という説もあるが、無理筋だろう。なぜなら、勝とパークスの初対面は西郷との会談の2週間後、懇意の英外交官、サトウとの“密談”は1週間後だからだ。

 ただここで一つ言えることがある。新政府トップの間で「慶喜助命」が暗黙の了解事項であっても、勝・西郷会談の価値を損ずるものではないことだ。2人は14日という「点」で戦争回避に合意しただけでなく、そこから補助「線」を引き、口約束ではなく、1カ月後の実際の無血開城という「点」にまで結びつけたのだ。「史上の離れ業」としか形容のしようがない、と思う。(編集委員 関厚夫)

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