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TICAD横浜宣言で中国への危機感共有、「依存国」配慮も

尖閣周辺へ出港する中国漁船。アフリカ開発会議でも中国を念頭に、海の資源管理は喫緊の課題として情報共有された=8月16日、中国福建省石獅市(共同)
尖閣周辺へ出港する中国漁船。アフリカ開発会議でも中国を念頭に、海の資源管理は喫緊の課題として情報共有された=8月16日、中国福建省石獅市(共同)

 30日の第7回アフリカ開発会議(TICAD)閉会式で採択された横浜宣言に「自由で開かれたインド太平洋」構想が盛り込まれた。日本が3年前の前回に提唱した構想で、アフリカ大陸を取り囲む海でもルールを逸脱する中国への危機感が各国で共有されたことを意味する。ただ、インフラ整備の遅れから中国の巨額の投資に依存する国は多く、宣言には配慮もにじんだ。

 急速な人口増加が続くアフリカでは、水産資源を持続的な経済成長につなげる「ブルーエコノミー」が脚光を浴び、3日間の討議でもテーマの一つに掲げられた。参加国は「成長と繁栄のエンジンだ」「貧困解消につながる」と期待を寄せ、宣言には「水資源の経済的な潜在力を最大限活用する」と明記された。

 一方、継続的な利用を見据えた資源管理が喫緊の課題で、討議で「違法漁業を排除しなくてはならない」と強調する国もあった。「中国の違法操業が各国の大きな悩みの種」(外務省幹部)で、西アフリカのギニア湾では、中国漁船による違法漁業が常態化しているとの報告もある。水産物は外貨獲得の貴重な資源で、違法操業は経済成長の足かせとなりかねない。横浜宣言に海洋秩序の維持を目指すインド太平洋構想を明記し、海洋安全保障分野での協力促進を盛り込んだことは大きな成果となった。

 ただ、宣言では「中国」の名指しは避けた。国によっては今後もインフラ整備や企業誘致で中国に頼らざるを得ず、「貧困国は中国のカネを切りたくても切れない」(日本政府関係者)のが現実だ。

 それでも今回、会議にはアフリカから過去最高となる42カ国の大統領ら首脳が参加した。「中国によるプレッシャーで首脳の参加を見送る国もある」(外務省幹部)中で、「中国離れ」の兆しも見え始めた。(力武崇樹)

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