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【不信-かんぽ不適切販売】中 政治に翻弄された民営化

 21年の民主党への政権交代だ。21年10月に民営化の見直し方針を閣議決定し、株式売却凍結法すら成立させた(その後廃止)。24年に成立した改正民営化法は、日本郵政が保有するかんぽ生命とゆうちょ銀行の株式を「早期にすべて売却することを目指す」と定めたが、日本郵政は現在もゆうちょ銀に89%、かんぽ生命に64%出資している。

 この迷走ぶりが、市場には「実質の再国有化」(金融アナリスト)とも映る。メガバンクの元頭取で日本郵政社長を務めた西川善文ら、小泉政権下で集まった民間人も相次ぎグループを去った。竹中は「民間経営者を追い出して天下り先にし、ガバナンス改革が遅れたから問題(不適切販売)が起きた」と批判する。

 天下りの象徴が、「10年に一人の大物次官」と呼ばれた元大蔵省事務次官、斎藤次郎の日本郵政社長への起用。斎藤や当時与党・国民新党を率いた亀井らの下、政府の影響力が増した。

 不完全な民営化は営業面でも如実だ。かんぽ生命は認可がなければ新商品が開発できない制約が過剰ノルマを招いた。竹中は「おかしな政策をやれば必ずおかしな結果を招く」と指摘する。ゆうちょ銀行も預貸業務と商品開発の拡大が見込まれたが、預入限度額は今年4月に2600万円に引き上げられるまでその半額に押さえられてきた。

〒風土変わらず

 24年12月に自民党が衆院選で圧勝し、政権復帰直前に斎藤は社長を辞任。東芝出身の西室泰三が日本郵政社長を務めたりしたが、「国の意向や政治に左右される郵政グループの風土は変わらなかった」(保険業界関係者)と指摘される。

 日本郵政上級副社長の鈴木康雄は元総務事務次官。日本郵便の副社長の一人は、自民党の支持団体である全国郵便局長会(全特)の元会長だ。先月の参院選は全特の組織内候補が自民で比例最多の60万票を獲得した。

 政治に翻弄された民営化の迷走は、郵政グループのいびつな経営を招いた大きな要因であり、今後にも影を落としている。(敬称略)

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