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家族の対象範囲、被害認定、補償額…救済はなお課題山積 ハンセン病控訴断念

 国の控訴断念により、今後はハンセン病の元患者の家族に対する補償のあり方など具体的な救済策が焦点となる。今回の原告以外の家族も多数おり、補償の対象範囲のほか、差別や偏見被害の認定方法、補償額などなお課題は山積している。

 元患者本人をめぐる訴訟では、平成13年の熊本地裁判決が国の責任を認めて賠償を命令。当時の小泉純一郎首相が控訴しないことを決め、直後に議員立法で補償金支給法が成立した。隔離された療養所に入所した元患者には期間に応じて800万~1400万円が支払われ、その他の元患者や遺族には提訴後に和解すれば500万~1400万円の和解一時金が支払われる仕組みが取られた。

 家族は同法の補償対象に含まれないが、今回の熊本地裁判決は隔離政策による就学拒否▽結婚差別▽就労拒否-といった差別被害を認定。ただ、原告561人の中の20人は、13年の判決後に被害申告があったとの理由で請求が退けられた。

 国が把握する元患者は約2300人いる。原告側はこれらの家族への一律の補償を求めているが、新法を設けるとすれば「対象範囲から補償額の算定方法まで、不確定要素ばかり」(厚生労働省の担当者)。過去の被害の立証も含めハードルが高い。

 控訴断念の判断は、国の不作為で差別や偏見を強いられた別の問題などに影響を与える可能性もある。旧優生保護法下での強制不妊手術をめぐる問題では、救済法に基づき、320万円の一時金が支払われることになったが、配偶者や故人は対象外となっている。

 根本匠厚生労働相は9日の閣議後会見で「ハンセン病の隔離政策は誤った立法措置で偏見・差別を助長したという特殊性があり、他の事案に単純に波及するとは考えていない」と述べるにとどめた。

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