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【参院選2019】今回から導入された比例代表特定枠とは?

 この仕組みは「非拘束名簿式」と呼ばれる。以前は、候補者同士の競争はなく、当選者は政党があらかじめ決めた優先順位によって決まっていく「拘束名簿式」を採用していたが、平成13年に改められた。

◆消えた選挙区

 今回の参院選から実施される「特定枠」は、政党が候補者名簿の中に特定の枠をつくり、その枠に入っている候補者だけは、党内の競争の枠外にして、優先的に当選させる仕組み。非拘束名簿式に、廃止されたはずの拘束名簿式を一部交ぜたような制度で、昨年7月に成立した改正公職選挙法で導入が決まっていた。

 例えば、議席数が2となったX党で、名簿に載っている3人の候補者のうちAが30万票、Bが70万票、Cが50万票だったとする。従来なら得票数1位のBと2位のCが順に当選し、3位のAが落選するが、今回からはX党がAを特定枠としておけば、3位のAと1位のBの順に当選し、2位のCは落選することになる。

 ある意味で、民意を無視した結果になるのだが、なぜ、こんな特定枠が設けられたのか。東京大学の牧原出(いずる)教授(政治行政システム)は「特定政党の事情で決められた」と指摘する。

 発端は、いわゆる「一票の格差」問題だ。参院選では、それまで各都道府県を1選挙区とし、各県から最低1人は当選者が出るようにしていたが、格差解消のため、人口の少ない鳥取県と島根県、徳島県と高知県をそれぞれ1選挙区にする「合区」に踏み切った。その結果、1人ずつ選挙区からあぶれることになった。

 「合区で、あぶれた議員を比例代表で“救済”するために、特定枠が設けられた。十分な議論がされないまま採決され、制度化されたのです」と牧原教授。

 ただ、総務省は新制度の意義を「政党がその役割を果たす上で必要な人材が当選しやすくなる」などと説明する。確かに「必要な人材」なら意味はある。さらに言えば、特定枠は設定しなくてもいい。新制度がどう使われているのかにも注目したい。

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