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骨太方針素案 最低賃金の引き上げ、政府内に温度差で目標設定見送り

経済財政諮問会議途中での記者団入室待ちのに談笑する(手前から)茂木敏充経済再生担当相、安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相=11日午後、首相官邸(春名中撮影)
経済財政諮問会議途中での記者団入室待ちのに談笑する(手前から)茂木敏充経済再生担当相、安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相=11日午後、首相官邸(春名中撮影)

 政府の経済財政諮問会議が11日に示した骨太方針の素案で焦点の一つとなったのが「最低賃金」の引き上げペースだ。ペースを上げれば所得を押し上げ個人消費を刺激するとの期待があるが、中小企業の経営が圧迫されるとの懸念もあり、政府内の温度差が表面化。素案では、過去3年間で年率3%程度の引き上げが続いたことを踏まえて「より早期に全国加重平均が1千円になることを目指す」としたが、具体的な引き上げ幅の目標設定は見送った。

 昨年の骨太方針では、最低賃金について「年率3%程度をめどとして、名目国内総生産(GDP)成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が1千円になることを目指す」としていた。

 最低賃金は毎年、厚生労働省の審議会が示す目安を踏まえ、都道府県ごとに決めている。現在は全国加重平均で時給874円だ。

 5月14日の経済財政諮問会議では、民間議員であるサントリーホールディングスの新浪剛史社長が「5%程度を目指す必要がある」と述べ、菅義偉官房長官が同調。一方、世耕弘成経済産業相は「中小企業・小規模事業者の現場では現行の引き上げペースが精いっぱい」とし、中小企業などへの配慮をにじませた。

 最低賃金の引き上げペースをめぐる議論には経済界も神経をとがらせる。日本商工会議所などは「政府が3%をさらに上回る引き上げ目標を新たに設定することには強く反対」などと表明。中小企業や小規模企業の平成30年の賃上げ率は1・4%にとどまるとして、「経営実態を考慮することで納得感のある水準を決定すべきだ」と強調した。

 こうした意見の相違を背景に調整作業は難航したとみられ、素案の表現は“玉虫色”で決着した形だ。(森田晶宏)

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