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経常収支の不均衡「すべての構成要素に着目する必要」 G20財務相会議の共同声明

G20財務相・中央銀行総裁会議を終え、記者会見する麻生財務相=9日午後、福岡市内のホテル
G20財務相・中央銀行総裁会議を終え、記者会見する麻生財務相=9日午後、福岡市内のホテル

 8、9日に福岡市で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、米中貿易摩擦の激化の背景には、貿易にサービス取引などを加えた経済取引の全体像を示す「経常収支」の不均衡があるとの観点から議論した。採択した共同声明では、不均衡の分析にあたり「全ての構成要素に着目する必要がある」と指摘。貿易赤字の解消を重視し、黒字国の中国などへ「貿易戦争」をしかけているトランプ米政権を牽制(けんせい)した。

 「貿易だけで議論したり、2国間だけでやったりしても解決できるものではない」。麻生太郎財務相は閉幕後の記者会見で、貿易摩擦についてこう語り、経済取引の全体像を見るべきだとの見方を示した。

 経常収支とは、海外とのモノやサービスのやりとりを通じて受け取ったお金と支払ったお金の差額のこと。受け取ったお金の方が多ければ経常黒字に、少なければ経常赤字になる。米国のように赤字が大きい国と、中国のように黒字が大きい国が存在する状態が「不均衡」だ。

 かりに米国の経常赤字が巨額のままなら米国への資金流入が減ってドル安要因となり、ドルに比べて通貨高となる他国の輸出を阻害して世界経済を悪化させるとされる。G20会議で示された討議資料も、「不均衡のレベルが過度な状態にある場合には、世界の経済成長にリスクをもたらしかねない」と指摘した。

 日本が今回、議長国としてG20の議題に経常収支の不均衡問題を取り上げたのは、米国が経常収支のうち、モノのやり取りを示す貿易収支の赤字是正にこだわり、中国からの輸入品への追加関税の対象を拡大しているからだ。

 共同声明でも、米国を念頭に、海外とのサービスの取引状況を示すサービス収支や、海外投資の収支を示す所得収支を重視すべきだと記述。

 経済学では、「経常赤字の大きさは国内で行われる投資が貯蓄を上回った額に相当する」とされていることを踏まえ、過度な不均衡の原因には「過剰な法人貯蓄(内部留保)、誤った財政政策などが含まれうる」とし、これらの解決も目指すべきだとの考えも示した。(山口暢彦)

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