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辺野古移設へ世帯別支援 下水管整備を無償化 米軍再編交付金を活用

 米軍普天間飛行場の移設先として、埋め立てが進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=4月26日(小型無人機から)
 米軍普天間飛行場の移設先として、埋め立てが進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=4月26日(小型無人機から)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、辺野古など地元3区に世帯別支援が実施されることが18日、分かった。移設計画で世帯別支援は初。名護市は3区で下水道整備を予定し、各世帯の負担となる下水管への接続工事費を無償化するため費用を区が負担する形をとり、区は原資として政府が名護市に支給している米軍再編交付金を活用する。

 政府と市、区の3者はこの方針で詰めの調整に入った。区は世帯別補償を求めてきたが、政府は代替策となる支援と位置づける。

 支援の対象は普天間飛行場代替施設を建設する米軍キャンプ・シュワブに近い辺野古・豊原・久志の3区(久辺=くべ=3区)。3区では下水道が未整備で、トイレの汚水や台所などの排水は各世帯の浄化槽で処理され河川と海に流され、手入れが行き届いていない浄化槽があり、悪臭の原因になっている。名護市全体の下水道普及率は約69%。

 市は令和3年から8年程度かけ、3区で下水道を整備。排水処理施設の建設費や施設まで下水を流す管路(かんろ)の設置費は国、県の補助金と市の予算で賄うが、各世帯と管路をつなぐ接続工事費は通常、各世帯が負担し費用は30万円ほどかかる。

 この各世帯負担を無償化できるよう、在日米軍再編に関係する市町村で住民生活向上に資する事業などに充てる米軍再編交付金を活用。名護市に支給された再編交付金事業では騒音などで辺野古移設の影響を最も受ける久辺3区向けに「地域コミュニティ事業」があり、事業に使う基金から各世帯の負担分が賄われる。

 同事業には再編交付金の支給が始まった平成20年度に6億円が基金として積まれ、これまで行事運営費や防災備品の整備に活用。30年度末の残額は約3億2千万円。3区には約1700世帯あり、下水道の接続工事費を30万円として単純計算すると約5億1千万円が必要となり、基金を積み増すことが想定されている。

 名護市では22年の市長選で移設容認の現職を破って反対派が当選し2期務めた間、20、21両年度に計約17億円を支給された再編交付金の受け取りを停止。昨年の市長選で移設容認派の支援を受けた渡具知武豊(とぐちたけとよ)氏が当選後、政府は再編交付金の支給再開を決め、昨年度は約29億円を支給した。

 下水道整備で県の補助を受けるには整備への住民同意が求められ、市は今年7月中に同意を得る方針だ。

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