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【参院選 組織どう動く】日本医師連盟・横倉義武委員長「弱肉強食の時代作ってはダメ」

日本医師連盟・横倉義武委員長=東京・本駒込(春名中撮影)
日本医師連盟・横倉義武委員長=東京・本駒込(春名中撮影)

 夏の参院選で日本医師連盟は自民党から比例代表に出馬する羽生田俊(たかし)さんを支援します。民主党政権時代の平成22年の参院選では自民党、民主党、みんなの党からそれぞれ組織内候補を出したこともありましたが、現在は自民党で一本化しています。

 安倍晋三政権は安定した政権運営をしていますよね。この6年間を振り返ると、当初は市場原理主義的な意見も出ていましたが、徐々に社会保障としての医療のあり方が政策としてしっかり打ち出されてきた。安倍首相の方針でしょうかね。そういう意味では医療政策への理解があると思っています。

 さまざまな国内の制度は政治で決まっていきます。専門性の高い医療分野の制度は専門職の目を通した実現が大事です。組織内出身ではない政治家に陳情し、組織の目指す目標や制度を実現していく方法もありますが、ある程度、決まった後で「こういう制度はどうか」と提案されても摩擦が起こる。反対をせざるを得ないこともあるでしょう。ですが、組織の政治家が政策を議論する過程に加わっていれば、直接専門家の意見を反映させることができる。だからこそ組織内出身の議員という存在が必要です。

 組織内出身議員がいない時期がありました。私が日本医師会の会長になった当初の24年ごろですね。その時期はいろんな意味で摩擦がありました。例えば、当時は規制改革の一環として一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売の解禁が議論になっていました。われわれとしてはネット販売で安全性を担保できるかが心配でした。

 おそらく組織内出身議員ならば、なぜわれわれがその心配をするのかを、政策をとりまとめる過程で直接、伝えることができたと思いますね。ネット販売は確かに便利で効率的です。ただ、薬には副作用もある。医療の場合は、安全性も担保しなければならないのです。

 令和の時代を迎え、医療は急速に進歩するでしょう。新たな技術をいかに安全に取り入れていくかということが極めて重要ですね。医療の知識のある政治家はますます重要度が増すのではないでしょうか。

 それと、弱肉強食の時代を作ってはならない。日本はいにしえの時代からお互いを支え合い、和を尊重してきた社会ですからね。小泉純一郎政権時代は「何でも市場原理に基づけば経済は成長する」という考えがあったでしょう。そういう競争社会では自殺者が増えた。バブルが崩壊したという経済的な側面もあったが、再びそうならないようにしないといけない。世界に誇る日本の国民皆保険制度も維持しなければなりません。日本医師会として国民に「過不足のない医療」の提供を目指します。

 そのためにまずは夏の参院選で羽生田さんをなんとしても当選させたい。今回は医療福祉系の組織からたくさん候補者がでますよね。厳しい戦いになるでしょうが、最低でも25年の参院選で羽生田さんが初当選したときに獲得した約25万票を超え、上位で当選させたい。当時は「組織内出身議員を再び出さなければ」と会員の皆さんにも非常に危機感があった。それだけ運動に熱が入っていたから、その熱を再び持てるかどうか。それにかかっていますね。(大島悠亮)

 【用語解説】日本医師連盟 昭和23年に日本医師会の理念を達成するために政治活動を行うことを目的に設立された。49年の参院選全国区から組織内候補を擁立。長く自民党を支持してきたが、平成22年の参院選では日本医師会が民主党支持に動いて下部組織が分裂。自民、民主、みんなの3党からそれぞれ組織内候補が出馬し、いずれも落選した。現在は再び自民党支持に一本化し、今夏の参院選は羽生田俊氏を支援する。

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