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【主張】桜田氏の辞任 政府の五輪軽視の結果だ

 桜田義孝五輪相が東日本大震災被災者を傷つける発言の責任をとり、辞任した。事実上の更迭である。

 桜田氏はこれまでも失言を繰り返し、その適格性が疑われていた。安倍晋三首相は「任命責任は首相たる私にある」として陳謝したが、そもそも桜田氏を五輪相に任じたことが誤りだった。

 人を見る目はないのかと批判されても仕方あるまい。派閥均衡や当選回数で入閣者を決めるから、こうした事態を招く。政府全体で猛省すべきである。

 桜田氏は岩手県出身の高橋比奈子議員のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さんだ」とあいさつした。失言ではすまされず、政治家としての資質が疑われる妄言である。しかも「下関北九州道路」の整備をめぐり「忖度(そんたく)」を自慢した塚田一郎元国土交通副大臣が辞任したばかりだ。自らの発言がどのような結果を招くか、その想像力の欠如は致命的である。

 桜田氏はこれまでも国会でちぐはぐな答弁を繰り返してきた。東京五輪の大会ビジョンや基本コンセプトを問われても答えられず、オリンピックの基本原則「五輪憲章」については「話には聞いているが、読んでいない」と答えた。これだけでも、五輪相として不適格といえた。

 競泳女子のエース、池江璃花子が白血病を公表した際には「がっかりしている」「盛り上がりが下火にならないか」と述べてひんしゅくを買ったこともある。

 東京五輪は政府の重要課題のはずだが、毎年のように担当相が代わる。桜田氏の更迭は当然だが、後任には前任者の鈴木俊一元五輪相が就任する。鈴木氏が適任であるなら続投でよかったはずだ。猫の目のような交代劇は、政府の五輪軽視としか映らない。

 昭和の東京五輪でも担当相を置いた。歴代は川島正次郎、佐藤栄作、池田勇人(首相兼任)、河野一郎の各氏である。

 大物の任用は、政府の決意や本気度を示す格好のアナウンスとなる。対して今回のみっともない交代劇は、正反対の効果しか生まない。がっかりしているのは国民である。機運の盛り上がりを下火にさせているのは政府である。

 東京五輪の開催は来夏に迫っている。招致に深く関わった安倍政権には、大会を成功に導く責務があるはずだ。

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