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【iRONNA発】靖国神社 「天皇御親拝ゼロ」の衝撃 島田裕巳氏

作家の島田裕巳氏
作家の島田裕巳氏

 靖国神社が揺れている。天皇代替わり後の今年6月に創建150年を迎えるが、平成の時代は陛下の御親拝が一度もないまま幕を閉じる可能性が高い。これは靖国の存立にかかわる危機である。なぜこうなったのか。

                  

 天皇自らが神社に参拝することは「親拝(しんぱい)」と呼ばれるが、平成の時代には、一度も親拝が行われなかった。平成が終わる4月の末までに親拝が行われる可能性はゼロに等しい。

 戦没者の慰霊のための天皇親拝が、靖国神社にとって最も重要な事柄である。それが果たされなくなったことは、二代続けて宮司が任期途中で交代した事態とは比較にならないほど重大事である。

 首相の靖国参拝もずっと問題になってきたが、親拝に比較すれば本来それほど重要なことではない。平成の時代に宗教をめぐって起こった重大な、そして深刻な事態は、その著しい衰退である。

 各宗教団体の信者数は、文化庁が毎年刊行している『宗教年鑑』に掲載される。信者数は、あくまでそれぞれの団体が申告した数で「自称」ということになるが、それだけを追っても、宗教の衰退ぶりは激しい。

宗教の衰退

 神道系と仏教系を足せば、平成の間に3千万人が減少した。もっとも、氏子として神道系に数えられると同時に檀家(だんか)として仏教系に数えられる人間も少なくないので、実際の減少数はもっと少ない。

 だが、2千万人以上減少していることは間違いないことであり、日本人全体の5分の1程度が信仰から離れたことを意味する。これは、あまりに急激な変化である。

 靖国神社の場合、その影響を受けるだけではなく、固有の事情もある。靖国では、戦没者を英霊として祀(まつ)っているが、先の大戦が終わってから、74年が過ぎようとしている。参拝者の中には、戦没者の遺族が膨大な数に含まれたわけだが、今や遺族の多くは他界している。

 戦没者の遺族が亡くなるということは、靖国神社に肉親が祀られているために参拝する人の数が大幅に減少することを意味する。それは、靖国神社の存在意義を曖昧なものにすることに結びつく。

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