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【顔の見えない議員たち】(上) 問われる議会の存在意義

高知県大川村の役場庁舎。地方議会のあり方をめぐる同村の問題提起が全国に波紋を呼んでいる
高知県大川村の役場庁舎。地方議会のあり方をめぐる同村の問題提起が全国に波紋を呼んでいる
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 「村民の無関心を、何とかしたかった」。高知県大川村村長、和田知士(かずひと)(59)はこう語る。四国山地の山間に位置し、過疎が進む村が直面する問題の一つは、議員のなり手不足だ。それは都市と地方の二極化が進む中、未来の地方議会の一つの縮図とも言える。

なり手不足

 人口約400人で、離島を除けば全国の自治体で最少規模の大川村。平成11年以降、5回の村議選のうち3回は定数を上回る立候補者がなく無投票となった。村議会は定数を同年の10人から6人にまで削減したが、解決に至らなかった。

 29年には、議会に代わって住民が村の課題を話し合う「村総会」の検討を開始。村総会は地方自治法に基づいて村議会を廃止し、有権者が予算などを直接審議することができると規定されるが、国の研究会が「開催は困難」との見解を示したため、断念した。

 「じゃあ、どうすれば開催できるのか」。新たな一手を模索した村は今月4日、議員に対する「兼業制限」を“緩和”する条例を成立させた。地方自治法は、自治体と請負関係にある団体の役員などと地方議員との兼業を禁じているが、条例には兼業が可能な法人名を公表する規定を盛り込み、村民が立候補しやすい環境を整えた。

規制を緩和

 民間産業がほぼない大川村の場合、村民の多くは、第三セクターなど村との利害関係が強い団体の役職を兼務する。「村をなんとかしたい思いはあっても、兼業制限が立候補を躊躇させていた」。4月の村議選に初めて立候補予定で、村内の複数団体の役員を務める男性(71)は明かす。

 現在6人の議員の平均年齢は約73歳。今期限りで引退を決めた議員もいるが、複数の村民が新たに立候補に意欲を示し、8年ぶりに選挙戦となる可能性もある。「議会への関心を高められたのは大きな成果だ」。和田は、ひとまず安堵した。

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