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【竹島の日】研究の第一人者、無策の政府にいらだちも

竹島問題についての研究成果などをまとめた下條正男座長=松江市
竹島問題についての研究成果などをまとめた下條正男座長=松江市

 いわゆる徴用工判決やレーダー照射問題、韓国議長発言など日韓両国間の信頼を揺るがす出来事が相次ぎ、関係が最悪の状態といわれる中、22日に開かれる島根県主催の「竹島の日」記念式典。韓国が不法占拠を続ける竹島(同県隠岐の島町)をめぐり、県が進める領土権確立の取り組みを主導してきた拓殖大の下條正男教授(68)は、14回目の式典を迎えても「日本政府は問題解決に向けてどう対処していいか分かっていない」といらだちを隠さない。(小林宏之)

 県が平成17年に「竹島の日」条例を制定し、翌年の「竹島の日」(2月22日)から県主催で開催している記念式典。県は首相や関係閣僚らの出席を求めているが、政府は25年から内閣府政務官を派遣し、今回も安藤裕政務官が出席する。

 「最悪といわれる時期だからこそ、言いづらいことも言え、強気にも出られる。閣僚級を派遣するくらいのことはできる好機なのに、決断できない。竹島問題の解決という点では最善の時期のはず」。県の条例制定や式典開催に当初から関わってきた下條氏は、政府の姿勢を批判する。

 1983(昭和58)年から約15年間韓国で生活し、企業でマーケティングを担当したり大学で教鞭(きょうべん)を執ったりした。96(平成8)年、竹島をめぐり日本人学校に通う長女から「日本は悪いことをしたの」と尋ねられたことが、竹島の研究に打ち込むきっかけに。帰国後は、島根県が設置した竹島問題研究会の座長に就き、「独島(ドクト、竹島の韓国側呼称)は自国領」と主張する韓国側と論戦を続けてきた。

 「竹島の日は、『領土問題は存在しない』との立場だった韓国側を大いに慌てさせた」と強調する。一方、「北方領土の日」(2月7日)は閣議了解で決まり、式典には首相や関係閣僚も出席しているが、「ロシアに何のインパクトも与えられていない。日本外交は相手からの攻勢への対処が常。今の日露交渉もうまく進んでいるようにはみえない」と指摘。そのうえで「竹島については島根県が韓国に攻勢をかけた」と評価する。韓国に領土問題の存在を認識させるとともに、風化していた竹島に対する国内の関心を呼び起こしたのは、「国ではなく島根県だった」。

 竹島の日制定から約14年が過ぎたが、政府は打開策を打ち出せないままで、式典の形骸化も懸念される。それでも、竹島の日の取り組みを続けることで韓国を刺激し、問題の存在をアピールし続けられると確信する。「言い換えれば竹島の日をなくすことが、式典を開催する最大の目的だ」。式典が不必要になる日が訪れることを願っている。

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