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【劇場型半島】日韓対立に便乗、北朝鮮が狙う「冠のひも」戦術とは

 3代目の金正恩氏にとって徴用工判決に続く、韓国海軍の駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題をめぐる日韓対立は、棚からぼた餅式のチャンスといえ、黙って見過ごすわけはないだろう。

旭日旗でも南北共闘

 韓国・済州島(チェジュド)での昨年10月の国際監艦式で、韓国側が海自に旭日旗の掲揚自粛を求め、海自が艦艇派遣を見送った問題でも、北朝鮮の国営ラジオは1月、記者の対談で安倍政権を糾弾した。

 「安倍一味は憲法改正を強行し、日本を戦争のできる国にして自衛隊に海外侵略の翼を付けようとしている」と牽制(けんせい)し、自衛隊が旭日旗をはためかせて「朝鮮半島などを侵略する道に突入するのは時間の問題だ」とあおり立てた。旭日旗と「戦争のできる国」を結び付けるという韓国で横行するステレオタイプの批判に同調し、「わが民族の対日敵愾(てきがい)心を増大させるだけだ」と南北共闘の姿勢を誇示した。

 トランプ米政権と非核化協議を維持する中でも、金正恩政権は、米韓離間策を怠っていない。対韓国向け宣伝サイトなどで「誰かの顔色をうかがうな」と、米韓合同軍事演習の完全中止や南北経済協力事業の再開を韓国に繰り返し要求。「外部勢力はわが民族がうまくいくのを願っておらず、対立を激化させて漁夫の利を得ようと画策している」と米国などとの引き離しにかかった。

 トランプ政権が在韓米軍の駐留費の負担引き上げを韓国に求め、協議が難航している問題でも、党機関紙、労働新聞は論説で「南朝鮮を友邦ではなく、欲を満たすための対象とみなす米国の下心をはっきりと示している」と批判した。

 韓国内でも文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮との融和に前のめりになる裏で、レーダー照射問題などで日韓対立が深まることを懸念する声がある。

 韓国紙、朝鮮日報の電子版によると、インターネット上には「日本の哨戒機が艦艇に接近飛行するのが韓国の安全保障に脅威を与えることだろうか」と疑問視する意見が書き込まれた。「韓国の頭上に浮かぶ北朝鮮の核という脅威は、文政権の記憶の中から消えてしまった。これでいいのか」

 金正恩氏の非核化意志を弁護し続ける文氏には、少なくとも北朝鮮による日韓離間策で政権が崩れるという危機意識はないはずだ。

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