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【主張】日露首脳会談 正攻法で領土返還目指せ

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 北方領土返還につながる具体的進展は示されなかった。日露平和条約の締結交渉を進めるかけ声があったにとどまる。

 安倍晋三首相とプーチン大統領が、モスクワで開いた25回目の首脳会談の結果である。

 今後数年間で日露間の貿易額を現在の1・5倍の、少なくとも300億ドルへ引き上げることや、北方四島での共同経済活動の早期実現へ作業を進める点では一致した。

 14日の外相会談はロシアの強硬姿勢を際立たせた。ラブロフ外相は四島が「第二次大戦の結果としてロシア領になった」と詭弁(きべん)を弄し、四島への「ロシアの主権」を認めなければ交渉は進まないと語った。「北方領土」の用語は「受け入れられない」とも述べた。

 択捉、国後、色丹、歯舞の四島は日本固有の領土だ。日ソ中立条約を一方的に破ったソ連が不法占拠した。ロシアは四島を日本に返還しなければならない。

 日本はこの法と正義に基づく立場を変えてはならない。これなしに経済協力を先行させては、ロシア側の思惑にはまるだけだ。

 案の定、プーチン氏は「日露関係の長期的かつ全面的な発展が課題だ」とし、平和条約交渉について「長く綿密な仕事が控えている」と述べた。クリミア併合で制裁を受ける中、交渉を引き延ばして経済的な果実を引き出すことが主眼なのだろう。領土返還の意思が本当にあるのか、疑わしい。

 安倍政権は「四島返還」や「北方領土返還」を正面から語っていない。北方領土の7%にすぎない色丹、歯舞の「2島返還」ばかりが日本側で論じられている。

 だが、領土とは、主権と国益の根幹にかかわる。現在の世代が安易な理由で放棄していいものでは決してない。

 領土を極めて重視するのがロシア人だ。プーチン政権は、領土という主権、国益の原則でふらつく日本を侮り、強気に出ている。これを中国や韓国が注視している。尖閣諸島や竹島をめぐる問題への悪影響も懸念される。

 日本は米国との同盟を安全保障の基盤としている。自衛隊の対外的行動は極めて抑制的だ。ロシアが安保上の連携相手に選ぶとは思えない。中露が米国と対抗している点や中露国境の長さなども踏まえれば、日露提携による対中包囲網の構築は、日本側の一方的な願望に終わるだろう。

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